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廃業と倒産の違いとは?7つの用語を一覧比較

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廃業とは、経営者が自ら事業を終えることです。債務を完済できず、事業の継続が難しくなる倒産とは別の概念です。

この記事では、廃業・倒産・破産・解散・清算・休業・閉業の違いを一覧で確認できます。自社がどの状態に近いかも整理できます。法人の解散から清算結了までの流れ、個人事業主の届出、登記・公告の費用、従業員や取引先への対応、廃業後に残る請求と帳簿保存について説明します。2025年の休廃業・解散と企業倒産の統計も紹介します。

「支払いが残っている」「何から始めるか分からない」という不安は、資産・負債・入金・支出を書き出すと整理できます。まず、債務を完済できる見通しを確かめてください。難しければ、早い段階で専門家や公的窓口へ相談します。

目次

廃業・倒産・破産・解散・清算・休業・閉業の違い一覧

廃業は経営者の意思による事業終了、倒産は支払い不能などで継続が難しくなった状態を表す総称です。いずれも法律上の手続き名ではありません。法人を消滅させるには、会社法上の解散・清算が必要です。

用語意思・財務状況法的手続き法人格・事業の帰結再開
廃業経営者の判断。黒字・赤字を問わない用語自体は手続き名ではない事業を終了する別の開業として可能
倒産支払不能・債務超過などの結果法律上の手続き名ではない総称法的整理・私的整理へ進む再建型なら可能
破産債務者などが申立てる清算型破産法換価・配当後、法人格は消滅原則不可
解散株主総会の決議など会社法上の清算開始事由清算へ移行する一定の場合に可能
清算解散後の財産・債務の整理会社法上の通常清算・特別清算清算結了で法人格が消滅不可
休業・休眠経営者の判断原則として特別な手続きなし法人格は存続する可能
閉業・閉店店舗や営業拠点を閉じる判断法律用語ではない店舗のみ終了する場合がある別拠点なら可能

廃業と倒産の違い

廃業は、後継者不在や引退などを理由に、計画して事業を終える場面で使われます。利益が出ていても廃業できます。倒産は、支払日に資金を用意できず、継続が難しくなった状態です。判断の分かれ目は、預金、売掛金、資産処分額で買掛金、未払給与、税金などを完済できるかどうかです。

廃業と破産の違い

破産は、破産法に基づき財産を換価し、債権者へ配当する清算型の手続きです。資産600万円、負債900万円の会社なら、通常清算を始める前に弁護士へ相談します。相談の起点は、債務を完済できるかの確認。

廃業と解散・清算の違い

株式会社では解散を決議し、清算人が財産・債務を整理します。清算結了登記まで会社は消滅しません。詳しくは、会社の清算手順の解説を参照してください。

廃業と休業・休眠の違い

休業・休眠は、営業を止めても法人格を残す状態です。再開予定がある場合に選べます。ただし、法人住民税の均等割、税務申告、登記などが残ることがあります。

廃業と閉業・閉店の違い

閉業・閉店は、店舗や営業所を閉じる一般語です。別拠点を続けていれば、会社全体の廃業には当たりません。詳しくは閉業と廃業の解説を参照してください。

「事業停止」はどれに当たるか

事業停止は一般語です。再開予定があれば休業、会社を消滅させるなら廃業、支払いが滞って継続困難なら倒産に関係する整理を検討します。呼び方だけでは決まりません。

あなたはどちらに当たるか|廃業と倒産を分ける判断基準

廃業を考えたら、廃業日までの資金繰りを作ります。入金予定日と支払期限を並べ、残高が最も少なくなる月を確認してください。資金繰りの確認には、資金繰りの確認方法も参考になります。

資産と負債を棚卸しする

預金、売掛金、不動産、機械、在庫、敷金の回収見込額を資産として計算します。負債には買掛金、未払給与、税金、リース債務、違約金、借入金を含めます。例えば資産950万円、負債750万円でも、原状回復費や専門家報酬を差し引いて完済できるかを確認します。帳簿上の純資産だけでは判断しません。判断材料は、実際の回収額。

経営者保証の有無を確認する

会社の債務を完済できない場合でも、個人の財産をすべて失うと決まっているわけではありません。経営者保証に関するガイドラインでは、自由財産に加え、一定期間の生計費や華美でない自宅などの「インセンティブ資産」を残せる場合があります。早期の廃業着手が残存資産の増加に資するとされているため、保証契約を整理して弁護士へ相談してください。ガイドライン資料と中小企業庁の案内も確認できます。

廃業のつもりが倒産になる例

赤字を補うために資産を取り崩し、廃業を先延ばしにすると、現金が尽きた後に給与や税金が残ることがあります。在庫の安値処分、売掛金の回収遅れ、特定の相手への先行支払いは、清算資金や債権者間の公平性を損なうため、専門家に確認します。

反対に、債務を支払える状態でも、回収予定日と支払期限が合わなければ一時的な資金不足が起きます。例えば、売掛金500万円が翌月入金、給与と税金400万円が今月支払なら、資産超過でも廃業日までの現金が足りません。支払条件の調整、回収の前倒し、処分時期の見直しを含めて資金繰りを作ります。

判断に使う資料は、直近の試算表、預金通帳、売掛金・買掛金の一覧、借入契約、賃貸借契約、リース契約、従業員名簿です。数字が古いと、回収不能の売掛金や解約費用を見落とします。専門家へ渡せる形に整えるだけでも、相談時の確認は速くなります。相談時に必要なのは、最新の資料。

数字で見る廃業と倒産の現在地

TSRによると、2025年の休廃業・解散は67,210件で、前年比7.2%増、3年連続で過去最多でした。赤字企業は47.2%、黒字企業は52.8%です。代表者の平均年齢は74.9歳、60代以上が90.6%、80代以上が34.0%でした。業種別ではサービス業他21,961件、建設業10,283件、小売業7,903件です。

TSRとTDBで件数が違う理由

TDBは、2025年の休廃業・解散を67,949件と公表しました。前年69,019件から1.6%減で、過去10年で2番目の高水準です。黒字割合は49.1%、資産超過型は63.4%でした。

TSRの67,210件とTDBの67,949件で、増減方向まで異なるのは、集計対象と確認方法の定義が違うためです。TSRは倒産以外で事業活動を停止した企業を中心に数えます。TDBは倒産を除き、企業活動の停止または商業登記での解散を確認した企業を数えます。出典はTSRの調査とTDBの調査です。数字の読み方で注意したい点。

2025年の企業倒産は10,300件

TSRによると、負債1,000万円以上の2025年企業倒産は10,300件で、前年比2.9%増、4年連続増加、2年連続の1万件超でした。負債総額は1兆5,921億9,000万円で、前年比32.0%減です。休廃業・解散とは調査対象が違うため、単純に合算できません。倒産件数の出典も確認してください。

TSRの2024年休廃業・解散は62,695件でした。2024年の調査結果も参照できます。2025年のTSR集計では、赤字企業より黒字企業が多く、代表者の高齢化も明らかです。廃業は「赤字になった会社が最後に選ぶ処理」に限りません。事業を続ける余力があるうちの引退や後継者問題とも結び付きます。統計は検討を先延ばしにしないための材料です。

廃業の手続きと流れ

法人は営業を止めるだけでなく、解散登記、官報公告、資産・負債の整理、清算結了登記まで進めます。個人事業主は会社の解散・清算を行いません。税務署などへ廃業に関する届出を提出します。

法人の解散から清算結了まで

株式会社では株主総会で解散を決議し、清算人を選任します。解散日から2週間以内に解散登記と清算人の登記を申請し、官報に解散公告を掲載します。公告期間は最低2か月です。その間に売掛金を回収し、在庫・設備を処分します。債務の弁済は、原則として債権申出期間が経過した後に行います。

残余財産を確定して株主へ分配し、株主総会で決算報告を承認したら、清算結了登記を行います。税務署、都道府県、市区町村への異動届も確認してください。解散しただけでは法人格は消滅しません。法人手続きの終点は、清算結了登記。

個人事業主の廃業届

個人事業主は税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。所得税法229条に基づく届出で、廃業した日の属する年分の確定申告期限までに提出します。青色申告の取りやめ、消費税の事業廃止、給与支払事務所の廃止なども、状況に応じて確認します。

廃業した年の所得は翌年に確定申告します。廃業後に売掛金の入金や在庫処分が起きるため、帳簿や事業用口座をすぐに閉じないでください。最後の入金まで管理が必要です。最後まで残るのは、入金確認。

青色申告をしていた人は、廃業届だけで青色申告の取りやめが完了するとは限りません。消費税の課税事業者、従業員を雇う事業者、許認可が必要な業種では、それぞれの所管先への廃止・返納手続きも確認します。提出先、期限、控えの保管場所を一覧にしておくと、翌年の申告時に確認しやすくなります。

清算人の役割と書類保存

清算人は、会社財産の調査、債権回収、財産の換価、債務の支払い、残余財産の分配を行います。重要な判断は議事録、見積書、入金記録、支払記録として残します。官報公告だけで最低2か月かかり、全体では数か月以上になることがあります。

清算人は、清算結了の登記の時から10年間、帳簿と事業や清算に関する重要な資料を保存しなければなりません(会社法508条1項)。総勘定元帳、仕訳帳、決算書、請求書、領収書、契約書、給与資料、議事録、税務申告書を整理します。電子データは、取引先名・取引日・金額で検索できる状態にしてください。書類の保存期間は10年間。

清算人が退任した後の保存責任者も、清算結了前に決めます。保存媒体だけを残してパスワードを失うと、データがあっても確認できません。紙の原本が必要な書類、電子保存できる書類、バックアップの頻度を分けて管理してください。

廃業にかかる費用と税金

費用は、登記・公告のように見積もりやすいものと、原状回復、在庫処分、違約金、退職金のように変動するものに分けます。税金と処分費を差し引いても、債務を支払えるか計算します。先に確保するのは、清算に必要な費用。

登記・公告・専門家報酬

目安として、解散登記の登録免許税は3万円、清算人選任登記は9,000円、清算結了登記は2,000円です。官報公告は約3万〜4万円、専門家報酬は30万〜100万円程度を見込むことがあります。法定費用は申請前に確認してください。

登記4万1,000円、公告3万5,000円、専門家報酬50万円なら約57万6,000円です。ここに未払給与、税金、原状回復、在庫処分費が加わります。費用を確保せず、資産を先に分配してはいけません。清算費用を先に確保してください。

在庫・原状回復・税金

原状回復、看板撤去、廃棄物処理、リースの中途解約金は、登記費用を上回ることがあります。帳簿価格100万円の在庫を30万円でしか処分できなければ、70万円が清算資金の減少になります。

法人は解散日までの事業年度について申告し、清算中の各事業年度についても、売却益の有無にかかわらず確定申告を行います。残余財産の分配で資本金などを超える部分は、みなし配当として所得税の対象になる場合があります。役員退職金の金額も税理士へ確認します。

資金繰り表には、売掛金の入金、在庫の処分、敷金の返還を収入として記載します。給与、税金、家賃、公告費、原状回復費は支出です。月ごとの残高がマイナスになる場合、廃業日の変更だけでは解決しないことがあります。税金や退職金を後から足さず、最初から予備費として置いてください。

役員退職金は、法人側の損金算入や個人側の退職所得の扱いが関係します。勤続年数や職務内容に比べて不相当に高額なら、税務上の問題になる可能性があります。節税だけを目的に金額を決めず、株主総会の決議、支給日、算定根拠を記録します。記録すべきは、支給額を決めた根拠。

廃業時の税金は、売上がなくなった日だけで確定しません。解散までの営業、清算中の資産処分、残余財産の分配を分けて確認します。個人事業主も、廃業後に入った売掛金や処分した在庫の扱いが申告に影響するため、帳簿を最後の取引まで記録します。

税金の納付期限は、会社の営業終了日や清算結了日と一致しないことがあります。法人税、消費税、源泉所得税、地方税を種類ごとに整理し、納付資金を残します。納税額が確定していない段階でも、直近の申告書や試算表から概算額を置いておくと、分配できる残余財産を誤って多く見積もることを防げます。

倒産の種類と手続き

支払いが難しいときは、廃業の手続きだけで処理せず、倒産手続きの種類を確認します。破産は清算、民事再生や会社更生は再建、私的整理は債権者との合意による整理です。

手続き目的特徴
破産財産を清算して配当破産管財人が財産を換価
特別清算解散後の株式会社を清算裁判所の監督下で進める
民事再生事業を再建経営者が続けながら計画を進める
会社更生大規模会社を再建裁判所の関与が強い
私的整理合意に基づく整理柔軟だが債権者の理解が必要

費用は予納金、弁護士報酬、管財人報酬、公告・郵送費などで構成され、債権者数や資産の種類で変わります。返済見込みが崩れた時点で相談してください。早めの相談が必要です。

破産を選ぶか、再生型を検討するかは、負債の金額だけで決まりません。継続すれば利益を生む事業か、許認可や従業員を残す必要があるか、債権者の同意を得られるかも判断材料です。会社の代表者が独断で決めず、財務資料と契約書を持って専門家に相談します。

特別清算は解散後の株式会社を対象にした裁判所の手続きで、通常清算では処理が難しい場合に検討されます。民事再生は原則として経営者が事業を続けながら再生計画を進め、会社更生は株式会社を対象とし、主に大規模な会社で利用されます。名称が似ていても、対象会社と目的は同じではありません。制度ごとに対象が異なります。

法的整理では、裁判所への申立て、債権者への通知、財産や債務の調査などが必要になります。私的整理は柔軟に進められる一方、対象債権者との合意が前提です。支払いを止める、資産を移す、契約を解除するなどの行動を先に取らず、手続きごとの影響を確認してください。

手続きの選択では、債権者の数、担保の有無、従業員を残せるか、許認可を維持できるかも確認します。破産は会社を終える方向、民事再生や会社更生は事業を残す方向の制度です。ただし、個別事情によって結論は変わります。名称だけで判断せず、負債一覧と事業の収益性を示して相談してください。

従業員・取引先・金融機関への対応

従業員には解雇予告と賃金、取引先には契約・納品・支払い、金融機関には資産と返済計画を伝えます。廃業日、説明日、連絡窓口を決めてから通知すると、回収や引継ぎの混乱を減らせます。関係者への連絡で必要なのは、順番の整理。

従業員への解雇予告と支援

解雇する場合、原則として30日前の予告または30日分以上の平均賃金の支払いが必要です。給与、退職金、離職票、源泉徴収票の予定を一覧にし、可能な限り早く説明します。ハローワークの案内や在職証明書の準備も支援になります。

取引先との契約解除

未納品、仕掛品、前受金、未回収請求、保証や保守の引継ぎを取引先別に確認します。契約書の解約条項と違約金を確認し、終了日、納品方法、支払日を文書で残します。顧客には問い合わせ窓口とアフターサービスの終了日も案内します。

金融機関と経営者保証

金融機関には資産目録、売掛金の回収予定、処分見込額、返済スケジュールを示します。経営者保証がある場合は、保証債務の整理と残存資産について弁護士や中小企業活性化協議会へ相談します。協議会は相談無料・秘密厳守で、再生困難な場合の円滑な廃業や再スタートも支援します。

従業員への通知は、取引先や金融機関への説明と日程をそろえます。発表前に請求書の発行、給与計算、在庫の棚卸しを終え、発表後は誰が問い合わせに答えるかを明示します。顧客の個人情報や取引記録を引き継ぐ場合は、契約と法令に沿って扱ってください。

取引先への説明では、未完成の仕事をどこまで行うか、前受金を返すか、代替先を紹介できるかを示します。金融機関には、廃業後も残る売掛金の回収予定と、処分費用を含めた返済額を説明します。口頭の約束だけにせず、合意内容と次の連絡日を記録してください。

契約を一方的に打ち切ると、違約金や損害賠償の問題が生じる場合があります。取引先ごとに契約期間、解約予告、納品状況、保証の有無を確認し、終了条件をすり合わせます。顧客への案内文には、最終営業日、返品・修理の受付期限、問い合わせ先を記載すると親切です。

従業員の給与や取引先への支払いを優先順位だけで決めると、法的な問題につながる場合があります。未払賃金、税金、担保付き債務などの扱いは、通常清算か法的整理かで変わります。会社の資金が不足しそうなら、支払日前に弁護士や税理士へ相談してください。

従業員へは、解雇日だけでなく給与の最終支払日、離職に関する書類の交付日、問い合わせ先を伝えます。取引先へは、納品できないものと代替手段を明確にします。金融機関との協議では、返済原資と不足額を分けて説明すると、話し合うべき点が明確になります。

廃業を決めたあとに残る請求と入金の実務

営業終了後も、未請求の納品分、請求済み未入金分、前受金の返金、未払費用が残ります。取引先別に取引内容、請求日、支払期日、入金日、残高を管理し、廃業日を理由に請求権を放置しないでください。請求権の管理を続けます。

未回収売掛金と最後の請求書

納品書、検収記録、契約書、過去の請求書を照合し、請求漏れと金額を確認します。最後の請求書には対象期間、内容、支払期日、振込先、廃業後の連絡先を明記します。時効は取引内容で扱いが変わるため、入金が遅れた場合は専門家に確認します。

例えば、未請求50万円、請求済み未入金30万円、返金予定10万円なら、入金予定80万円と支出10万円を分けて管理します。清算資金を90万円と誤って見積もるミスを防げます。請求と入金の区分管理。

請求書と帳簿を10年間保存する

電子保存では、取引先名・取引日・金額をファイル名に入れ、バックアップと閲覧権限を設定します。請求書の作成・受取を整理する場合は、INVOYの請求書作成・受取サービスも選択肢です。法的・税務上の判断は専門家へ相談してください。

請求書は「発行したか」だけでなく、納品や検収が済んだか、消費税の記載が適切か、入金されたかまで確認します。廃業日をまたぐ請求は、営業終了日、請求日、売上計上日が一致しない場合があります。取引先別の一覧を作り、請求漏れと二重請求を防いでください。

請求書を発行した後は入金を確認して一覧を更新します。未入金のまま清算結了へ進むと、後から回収担当者が分からなくなります。担当者、連絡先、督促日、相手の回答、次回期限を残し、必要なら弁護士へ引き継ぎます。

受け取った請求書も、支払先、金額、支払日、証憑の保存場所を記録します。廃業前の仕入れや外注費は、営業終了後に請求されることがあります。受取請求書を未処理のままにせず、支払い済み・支払予定・内容確認中に分けると、清算資金の見通しが安定します。

請求・入金の一覧には、清算人や担当者が変わっても分かるよう、契約番号や請求書番号を付けます。紙の書類はスキャン後も原本の扱いを確認し、電子データは削除権限を限定します。保存期間を決めておくと、清算結了後の問い合わせにも対応できます。

最終請求の発行日は、営業終了日と同じとは限りません。月末締め翌月末払いなら、営業を終えた後にも請求・入金確認が続きます。清算人が入金を確認できるよう、金融機関の口座、請求書の控え、取引先の連絡先をまとめて引き継ぎます。

廃業以外の選択肢と無料で使える公的窓口

後継者がいない場合でも、事業承継やM&Aで従業員、顧客、取引先との関係を残せる可能性があります。成立が保証されるわけではないため、廃業の資金計画と並行して期限を決めて検討します。選択肢は承継だけではありません。

中小企業活性化協議会は全国に設置され、相談無料・秘密厳守です。事業承継・引継ぎ支援センターは47都道府県に設置され、承継の助言、情報提供、マッチング支援を行っています。公的窓口で現状を整理してから、必要な専門家を選ぶ方法もあります。

中小企業活性化協議会の制度は、中小企業庁の再生支援案内で確認できます。事業承継・引継ぎ支援センターの所在地や支援内容は、中小企業基盤整備機構の案内を参照してください。公的窓口は特定の取引を前提としません。廃業・再生・承継を並べて考えたいときに向いています。

事業承継やM&Aを検討する場合も、廃業予定日までの資金を確保し、従業員への説明準備を止めないことが大切です。交渉が長引いて資金が尽きれば、承継の条件も悪化します。承継を第一候補にしつつ、成立しなかった場合の清算工程も確認します。

事業承継を検討する際は、顧客基盤、許認可、設備、従業員、契約の承継可否を整理します。会社を残すことが目的になり、赤字や保証の問題を見えにくくすると、相手との交渉が進みません。廃業した場合に必要な費用も同じ表に置き、経済面と関係者への影響を比べます。

廃業と倒産に関するよくある質問

廃業と倒産では、どちらが負担が小さいですか?

債務を完済でき、計画的に進められる廃業の方が調整しやすい傾向があります。費用や税金を含めて支払えるかが前提です。

黒字でも廃業できますか?

黒字でも廃業できます。2025年の黒字割合はTSRで52.8%、TDBで49.1%でした。後継者や年齢なども理由になります。

廃業にはいくらかかりますか?

登記・公告だけで約7万〜8万円、専門家報酬を含めると30万円超になる場合があります。原状回復や税金も別に見積もります。

個人事業主に必要な届出は何ですか?

個人事業の開業・廃業等届出書を提出します。青色申告、消費税、従業員に関する届出も確認します。

廃業の手続きにはどれくらいかかりますか?

法人は官報公告だけで最低2か月かかり、回収や税務処理を含めると数か月以上になることがあります。

廃業しても経営者個人に債務は残りますか?

会社と個人は別ですが、経営者保証があると個人に請求が及ぶ場合があります。保証ガイドラインを確認してください。

廃業の前に相談できる公的窓口はありますか?

中小企業活性化協議会は相談無料・秘密厳守で、再生だけでなく円滑な廃業や再スタートも相談できます。事業承継・引継ぎ支援センターは全国47都道府県に設置されています。

公的窓口への相談は、廃業や倒産を決める申立てではありません。資金繰り、保証、雇用、承継の課題を整理する入口です。相談した内容や紹介先を記録し、税理士・弁護士へ共有できるようにしてください。

相談先を選ぶときは、手数料の有無、対応できる範囲、紹介される専門家、秘密保持の扱いを確認します。事業承継を検討しても、最終的に廃業を選ぶことはできます。早めに相談すれば、廃業しかないと思い込む前に複数の選択肢を比べられます。

相談時には、直近の決算書、試算表、借入一覧、契約書、従業員数、廃業を考えた理由を準備します。結論を決めてから行く必要はありません。第三者に現状を見せることで、廃業と倒産を取り違えたり、承継の可能性を早く閉じたりすることを避けられます。

まとめ

廃業は経営者が自ら事業を終えることで、倒産は支払い不能などにより継続が難しくなった状態を表す総称です。破産・解散・清算・休業・閉業は、それぞれ法的な意味と法人格の扱いが異なります。

資産と負債を実際の回収・支払見込額で整理し、債務を完済できるかを最初に確かめてください。法人は解散、登記、官報公告、清算、清算結了登記、個人事業主は廃業届や税務上の届出を確認します。2025年の休廃業・解散はTSRで67,210件、TDBで67,949件、企業倒産は10,300件でした。

従業員・取引先・金融機関への説明、経営者保証の確認、請求と入金の管理、清算結了後10年間の書類保存も必要です。返済が難しい場合は、税理士、弁護士、中小企業活性化協議会、事業承継・引継ぎ支援センターへ早めに相談し、廃業・再建・承継を比べてください。

廃業を決めた後は、営業終了日、最終請求日、支払予定、公告、清算結了登記を一つの予定表にまとめます。数字と手続きを一緒に管理すれば、支払い漏れや請求漏れを抑え、関係者へ説明できる廃業に近づけます。

廃業は、営業を止める日を決めて終わる作業ではありません。債務の完済可能性を確認し、適切な手続きと費用を選び、請求・入金・書類を最後まで管理する一連の整理です。

最初に「債務を完済できるか」を確認し、次に法人か個人事業主かを分け、最後に廃業・再建・承継を比較します。この順番なら、用語の違いに迷ったまま手続きを進めるリスクを下げられます。

廃業の決断を急ぐ必要はありませんが、資金が尽きるまで先延ばしにするのは危険です。手元の数字を更新し、関係者への説明と専門家への相談を同じ予定表に入れてください。

この記事の投稿者:

hasegawa

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