
請求書や領収書を整理しながら、「この書類は何年とっておけばいいのか」と手が止まったことはないでしょうか。証憑の保存年数は、法人か個人事業主か、青色申告か白色申告か、そして根拠となる法律が法人税法か会社法かで変わります。ここを取り違えたまま処分してしまうと、税務調査で取引の裏づけを示せず、青色申告の承認取消しや過料といった不利益につながります。
この記事では、証憑の意味と、証票・帳票・伝票との違いを整理したうえで、書類の種類を4つに分けて一覧にしました。そのうえで、法人と個人事業主それぞれの保存年数を1枚の早見表にまとめています。年数はすべて国税庁が公開している情報で確認したものです。
さらに、2024年1月から義務化された電子取引データの保存についても、準備が間に合わない場合の猶予措置まで含めて解説します。読み終えたときには、自社が扱っている書類を「何年・どの方法で」保存すればよいかが判断できる状態になります。
先に結論だけ挙げておきます。法人は法人税法で原則7年、会社法の会計帳簿は10年です。個人事業主は青色申告なら帳簿と決算関係書類が7年、請求書や見積書などは5年、白色申告なら法定帳簿が7年でそれ以外は5年です。インボイス発行事業者が交付した適格請求書の写しは、申告方式にかかわらず7年になります。
目次
証憑(しょうひょう)とは取引の事実を証明する書類です
読み方と意味
証憑は「しょうひょう」と読みます。商取引が実際に行われたことを裏づける書類の総称で、正式には証憑書類と呼びます。契約書、請求書、領収書、納品書のように、日々のやり取りで発行したり受け取ったりする書類の多くが証憑にあたります。
対象は社外との取引に限りません。雇用契約書やタイムカード、給与明細のように、社内で発生した人件費を裏づける書類も証憑に含まれます。会計処理の正しさは、最終的にこうした一枚一枚の書類で証明されます。
証憑・証票・帳票・伝票の違い
証憑と紛らわしい言葉がいくつかあります。読み方が同じ「証票」は、身分証明書や引換券のように、ある事実を示す札や書き付けを指す言葉です。「帳票」は帳簿と伝票を合わせた会計用語で、仕訳帳や売掛金元帳など経営に関する書類全般を含みます。証憑は帳票の一部と考えると位置づけがつかみやすくなります。
| 用語 | 読み方 | 意味 | 具体例 | 税法上の保存義務 |
| 証憑 | しょうひょう | 取引の事実を証明する書類の総称 | 請求書、領収書、契約書、納品書 | あり |
| 証票 | しょうひょう | ある事実を示す札や書き付け | 身分証明書、引換券 | 書類の性質による |
| 帳票 | ちょうひょう | 帳簿と伝票を合わせた会計用語 | 仕訳帳、売掛金元帳、証憑類 | 帳簿・書類としてあり |
| 伝票 | でんぴょう | 取引を社内で記録するための紙片 | 入金伝票、出金伝票、振替伝票 | 帳簿の一部としてあり |
なぜ保存が義務づけられているのか
証憑は、法人税法をはじめとする各税法と会社法で「帳簿書類」として扱われ、一定期間の保存が義務づけられています。義務の背景には3つの事情があります。
1つ目は税務調査です。申告した売上や経費が実際の取引にもとづくものかどうかは、証憑を突き合わせて確認されます。書類が出てこなければ、その経費が認められない可能性があります。2つ目は会計監査で、財務諸表の数字に根拠があることを外部に示す材料になります。3つ目は取引先とのトラブル対応です。金額や納期の認識がずれたとき、契約書や納品書が残っていれば事実関係を早く確定できます。
保存義務は法人だけのものではありません。個人で事業や不動産貸付けを行っている方は、所得税および復興特別所得税の申告が必要ない場合でも、記帳と帳簿書類の保存が求められます。
取引書類の種類を4分類で整理します
証憑にあたる書類は多岐にわたりますが、「何を証明する書類か」で4つに分けると整理しやすくなります。
分類に迷ったときは、その書類がなくなったときに何を説明できなくなるかを考えてみてください。金額の裏づけが取れなくなるならカネ、納品の事実が示せなくなるならモノ、といった具合です。手元の書類を分類してから保存年数を決めると、抜け漏れに気づきやすくなります。
カネに関する書類
金銭の動きを直接証明する書類です。請求書、領収書、レシート、預金通帳、小切手控、借用証などが該当します。特に請求書には取引先の情報、請求内容、支払条件、金額が記載されており、その支出が経費として妥当かを判断する根拠になります。現金や預金の動きに関わる書類は、後述するとおり保存年数が長めに設定されています。
モノに関する書類
商品やサービスの受け渡しを証明する書類です。見積書、発注書、納品書、検収書、送り状などがこれにあたります。発注から納品、検収までの流れが書類でつながっていれば、いつ何をいくらで取引したかを説明できます。
ヒトに関する書類
人件費の根拠となる書類です。雇用契約書、労働条件通知書、タイムカード、出勤簿、給与明細、賃金台帳などが含まれます。給与や賞与は金額が大きく、税務調査でも確認される項目です。
その他の書類
取引の前提となる合意や、社内の意思決定を記録した書類です。契約書、覚書、合意書、誓約書、株主総会や取締役会の議事録、内容証明郵便などが該当します。会計帳簿そのもの(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳など)や、損益計算書、貸借対照表、棚卸表といった決算関係書類も、税法上の保存対象です。
| 分類 | 主な書類 | 主な根拠法 | 保存期間の目安 |
| カネに関する書類 | 請求書、領収書、レシート、預金通帳、小切手控 | 法人税法、所得税法、消費税法 | 法人は7年。個人は書類により5年または7年 |
| モノに関する書類 | 見積書、発注書、納品書、検収書、送り状 | 法人税法、所得税法 | 法人は7年。個人(青色申告)は5年 |
| ヒトに関する書類 | 雇用契約書、労働条件通知書、タイムカード、給与明細 | 法人税法、労働基準法 | 法人税法では7年。労務関係の書類には別途の定めあり |
| その他の書類 | 契約書、覚書、議事録、会計帳簿、決算関係書類 | 法人税法、会社法 | 法人税法は7年。会社法の会計帳簿は10年 |
保存期間は何年?法律別・事業形態別の早見表
保存年数は、根拠となる法律と事業形態の組み合わせで決まります。まず全体像を確認してください。
| 書類区分 | 法人(法人税法) | 法人(会社法) | 個人・青色申告 | 個人・白色申告 |
| 帳簿(総勘定元帳、仕訳帳など) | 7年(欠損金がある事業年度は10年) | 10年 | 7年 | 法定帳簿7年/任意帳簿5年 |
| 決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表) | 7年 | 10年 | 7年 | 5年 |
| 現金預金取引等関係書類(領収書、預金通帳など) | 7年 | - | 7年(前々年分の事業所得および不動産所得が300万円以下は5年) | 5年 |
| その他の取引関係書類(請求書、見積書、納品書など) | 7年 | - | 5年 | 5年 |
| 適格請求書の写し | 7年 | - | 7年 | 7年 |
※法人税法の起算日は確定申告書の提出期限の翌日、会社法は会計帳簿の閉鎖の時からです。個別の判断は税理士や所轄の税務署にご確認ください。
法人は法人税法で原則7年、欠損金がある事業年度は10年
法人税法では、帳簿と取引に関して作成または受領した書類を7年間保存すると定められています。国税庁は帳簿の例として総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳などを、書類の例として棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などを挙げています。
ただし2つの例外があります。青色申告書を提出した事業年度に欠損金額が生じた場合と、青色申告書を提出しなかった事業年度に災害損失金額が生じた場合は、保存期間が10年間になります。欠損金の繰越期間が10年であることに合わせた扱いです。なお、平成30年4月1日前に開始した事業年度については9年間となります。
会社法の会計帳簿は10年
税法とは別に、会社法432条2項が「会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない」と定めています。法人税法の7年と会社法の10年は、根拠も起算点も別の制度です。実務では長いほうに合わせ、法人は10年を基準に管理しておくと取り違えが起きません。
個人事業主は青色申告と白色申告で年数が違います
青色申告では、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿が7年、損益計算書や貸借対照表、棚卸表といった決算関係書類も7年です。領収書、小切手控、預金通帳、借用証などの現金預金取引等関係書類も原則7年ですが、前々年分の事業所得および不動産所得の金額が300万円以下の方は5年でよいとされています。一方、請求書、見積書、契約書、納品書、送り状などのその他の書類は5年です。
白色申告では、収入金額や必要経費を記載した法定帳簿が7年、それ以外の任意帳簿は5年です。決算に関して作成した棚卸表その他の書類、業務に関して作成または受領した請求書や納品書、領収書などの書類も5年となります。
なお令和4年分以降、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える方は、その業務に係る現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。青色申告の300万円以下という基準とは別の話なので、混同しないよう注意してください。
適格請求書の写しは7年、起算日に注意
インボイス発行事業者が交付した適格請求書の写しと、提供した電磁的記録は、青色申告か白色申告かにかかわらず7年間の保存が必要です。消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存する請求書等も同じく7年です。上記の所得税法上の年数とは別枠で考えてください。制度の全体像はインボイス制度の基本と登録判断で解説しています。
起算日にも注意が必要です。法人税法上の保存期間は、書類を受け取った日ではなく、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から数えます。たとえば3月決算の会社が2026年3月期(2025年4月1日から2026年3月31日までの事業年度)に受け取った請求書は、申告期限が2026年5月31日なので、2026年6月1日から7年後の2033年5月31日までが保存期間になります。日付だけを見て「7年前だから処分してよい」と判断すると、実際にはまだ保存期間中というずれが生じます。会社法の10年は会計帳簿の閉鎖時が起点なので、こちらも別に管理してください。
保存場所も決まりがあります。法人は納税地、個人事業主は住所地や事業所の所在地で、整理して保存することが求められます。電子データの場合は、どのフォルダやシステムに保管しているかを社内で共有しておくと、担当者が不在でも調査に対応できます。
保存方法は紙・電子取引データ・スキャナの3つです
紙のまま保存する
紙で受け取った書類を原本のまま保管する方法です。税務調査や会計監査では仕訳伝票と証憑の同時提出を求められることがあるため、取引ごとにひもづけてファイリングしておくと確認が早く済みます。紙は経年で劣化するので、書庫のように温度と湿度が安定した場所を確保するか、外部の保管業者に預けることを検討してください。
電子取引データとして保存する
メールに添付されたPDFの請求書や、Webサイトからダウンロードした領収書のように、電子的にやり取りした取引情報は、電子データのまま保存することが義務づけられています。この義務は2022年1月1日に施行され、2023年12月31日までの宥恕措置を経て、2024年1月1日から原則どおり適用されています。印刷した紙だけを残してデータを削除する運用は、原則として認められません。
電子取引に該当する範囲は思ったより広く、次のようなやり取りが含まれます。
1. メールに添付されたPDFの請求書や見積書
1. 取引先のWebサイトや専用サイトからダウンロードした領収書
1. クレジットカードやECサイトの利用明細をデータで受け取った場合
1. クラウドサービス上でやり取りした請求データ
保存するデータの範囲そのものは、これまで書面で保存していたものと変わりません。紙で受け取った書類まで電子化する義務が生じるわけではない点は、押さえておいてください。要件は電子帳簿保存法の対象書類と適用要件で確認できます。
スキャナ保存する
紙で受け取った書類をスキャンし、電子データとして保存する方法です。こちらは任意の制度で、導入するかどうかは事業者が選べます。ただし読み取りの解像度や入力期間に決まりがあり、受領からおおむね7営業日以内に保存する早期入力方式か、最長2か月の業務処理サイクルを経たあとおおむね7営業日以内に保存する業務処理サイクル方式のいずれかを選びます。導入手順はスキャナ保存の要件と導入手順にまとめています。
| 保存方法 | 対応の要否 | 対象になる書類 | 主な要件 |
| 紙のまま保存する | 任意 | 紙で受け取った書類 | 原本を整理し、劣化しない環境で保管する |
| 電子取引データとして保存する | 義務(2024年1月1日から) | メールやWebでやり取りした取引情報 | 真実性の確保と可視性の確保を満たす |
| スキャナ保存する | 任意 | 紙で受け取った書類 | 解像度と入力期間の要件を満たす |
電子帳簿保存法で変わった保存ルール
真実性の確保と可視性の確保
電子取引データを保存するときは、2つの要件を満たす必要があります。
真実性の確保は、データが後から書き換えられないようにするための要件です。タイムスタンプを付与する、訂正や削除の履歴が残るシステムを使う、といった方法のほか、不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する方法も認められています。専用システムがなくても、規程を作って守れば要件を満たせます。国税庁は規程のサンプルを公開しています。
可視性の確保は、必要なときにデータを取り出して見せられるようにするための要件です。モニターやプリンタ、操作説明書などを備え付けたうえで、取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる状態にしておきます。
検索要件が不要になるケース
検索機能の準備は、すべての事業者に求められるわけではありません。2課税年度前の売上高が5,000万円以下の事業者、または電子取引データをプリントアウトして日付および取引先ごとに整理している事業者は、税務調査でダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索要件は不要です。この5,000万円という基準は、2024年1月に1,000万円から引き上げられたものです。
対応が間に合わないときの猶予措置
システムや社内のワークフローの整備が間に合わず、要件どおりに保存できない場合には猶予措置があります。所轄税務署長が相当の理由があると認めること、そして税務調査の際にデータのダウンロードの求めと、そのデータを出力した書面の提示・提出の求めの両方に応じられるようにしていること。この2つを満たせば、要件にかかわらずデータを保存しておくだけで足ります。事前の申請は不要です。人手不足や資金不足も相当の理由として認められます。
紛らわしいのが、2023年12月31日で終わった宥恕措置との違いです。宥恕措置はすでに廃止されており、現在使えるのは猶予措置のほうです。ただし猶予措置でも、電子取引データを消さずに保存しておくことは変わりません。なお、宥恕措置を適用して保存していた2023年12月31日までのデータについては、プリントアウトした書面を保存期間が満了するまで残し、税務調査で提示・提出できるようにしていれば問題ありません。
これから対応を始めるなら、まず自社が受け取っている電子取引データの種類を書き出し、保存先のフォルダを1か所に決めることから着手すると進めやすくなります。そのうえで、システムを入れるのか事務処理規程で対応するのかを選びます。規程で対応する場合は国税庁のサンプルを土台にできるため、費用をかけずに真実性の確保を満たせます。猶予措置の要件と証憑管理のデジタル化の進め方では、実務の手順をさらにくわしく扱っています。
紛失・保存漏れで発生するペナルティ
会社法976条の過料は100万円以下
会社法976条は、帳簿や書類を備え置かなかった場合などに100万円以下の過料を科すと定めています。過料は行政上の秩序罰であり、刑事罰である罰金とは性質が異なります。前科がつくものではありませんが、会社法上の義務違反であることに変わりはありません。「罰金」と説明している情報を見かけることがありますが、条文上は過料です。
青色申告の承認取消しと仕入税額控除
帳簿書類の保存が適切に行われていない場合、青色申告の承認が取り消されることがあります。承認が取り消されると、青色申告特別控除や欠損金の繰越控除といった特典が使えなくなります。
消費税でも影響があります。仕入税額控除を受けるには帳簿と請求書等の保存が要件なので、適格請求書を紛失したまま再発行も受けられなければ、その分の控除が認められない可能性があります。
隠蔽・仮装があった場合の重加算税
書類を意図的に処分したり、内容を偽ったりした場合は、隠蔽または仮装とみなされて重加算税の対象になります。さらに、売上に関する帳簿を保存していなかったことや、帳簿の売上の記載が不十分なことが税務調査で把握された場合には、加算税が重くなることがあります。個別の判断は税理士や所轄の税務署に確認してください。
証憑管理の課題と受け渡しをラクにする方法
紛失・保管コスト・検索性という現場の悩み
証憑管理でつまずきやすいのは、紙とデータが混在している状態です。紙で届いた領収書とメールで届いた請求書が別々に管理されていると、必要な一枚を探すのに時間がかかります。保管スペースの費用も無視できません。加えて、帳簿の記帳内容と証憑を突き合わせる作業は件数が増えるほど負担になります。発行と受取の両方を同じ場所に集約できれば、こうした手間はかなり減らせます。
無料で使える証憑テンプレート
書類の書式が取引ごとにばらばらだと、記載漏れが起きやすくなります。INVOYでは請求書、見積書、発注書、納品書、領収書のテンプレートを無料で公開しています。必要な記載事項があらかじめ入っているので、作成の手間を減らしながら形式を揃えられます。INVOYの各種書類テンプレートを見るから利用できます。
証憑保存チェックリストの作り方
自社の管理状況を点検するときは、次の4ステップで書き出してみてください。
1. 自社が扱う証憑を書類名で洗い出す
1. それぞれが電子取引にあたるかを判定する
1. 書類ごとに保存年数と保存場所を決める
1. 事務処理規程が必要な書類を特定する
この4項目を「書類名 × 保存年数 × 保存場所 × 電子取引の該当有無」の表にしておけば、担当者が変わっても運用が引き継げます。INVOYはクラウド上で請求書の発行から受取、支払いまでを扱えるサービスで、発行・受領した書類は電子データのまま保存されます。真実性の確保と可視性の確保のどちらにも対応しているため、紙とデータの二重管理から抜け出す手段のひとつになります。INVOYで請求書の発行・受取を無料ではじめる
よくある質問
証憑と証憑書類は違うものですか
同じものを指します。証憑が略称で、証憑書類が正式な呼び方です。実務では「証憑」「証憑書類」「証憑類」がほぼ同じ意味で使われています。
レシートは証憑になりますか
なります。日付、金額、店舗名、購入した品目が記載されていれば、レシートも取引を証明する書類として扱えます。むしろ品目が印字されている分、宛名だけの領収書より内容がわかりやすい場合もあります。ただし感熱紙は印字が薄くなるため、早めにスキャンするか写しを残しておくと安心です。
メールで受け取ったPDFの請求書を印刷して紙で保存してもいいですか
紙だけを残してデータを削除する運用は、原則として認められません。電子取引データは電子データのまま保存する必要があります。準備が間に合わない場合は前述の猶予措置がありますが、その場合もデータそのものは消さずに保存しておくことが前提です。
保存期間を過ぎた証憑は捨ててよいですか
法人の場合、法人税法の7年と会社法の10年で年数が違う点に注意してください。会計帳簿や事業に関する重要な資料は会社法で10年とされているため、7年で処分すると会社法上の義務を満たさなくなる可能性があります。処分する前に、どの法律の対象書類かを確認してください。
証憑を紛失したらどうすればいいですか
まず取引先に再発行を依頼します。適格請求書の場合は、仕入税額控除にも関わるため早めに連絡してください。領収書が再発行されない場合は、出金伝票に日付、金額、支払先、内容を記録し、クレジットカードの利用明細や預金通帳の記録を合わせて残しておく方法があります。紛失したまま何の記録も残さないと、経費として認められない可能性があるほか、保存義務違反として過料や重加算税のリスクにもつながります。
まとめ
証憑は、取引が実際に行われたことを証明する書類の総称です。保存年数は法人税法で原則7年、会社法の会計帳簿は10年、個人事業主は青色申告で7年と5年、白色申告で7年と5年に分かれます。適格請求書の写しは申告方式を問わず7年です。
2024年1月からは電子取引データを電子のまま保存することが義務になりました。要件どおりの保存が難しい場合は猶予措置がありますが、データを残しておくことは共通の前提です。年数と保存方法を書類ごとに整理し、発行と受取を一か所にまとめておけば、税務調査にも落ち着いて対応できます。



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