
個人で起業したいと思っても、「実際いくらかかるのか」がわからなくて一歩踏み出せない方は多いのではないでしょうか。開業に必要な費用は業種や事業規模によって大きく異なりますが、個人事業主として起業する場合は0円から始められるケースもあります。一方、株式会社や合同会社として法人設立する場合は最低でも6万円〜20万円程度の費用が必要です。この記事では、個人事業主と法人設立それぞれの費用の違い、初期費用の内訳、そして資金が不足したときに活用できる資金調達方法まで、起業を検討している方に向けてわかりやすく解説します。費用の全体像を把握することで、無駄なコストを抑えながら、着実に起業準備を進められるようになります。
目次
個人で起業する費用の全体像
起業費用は「設立費用」と「運転資金」に分かれる
個人で起業する際にかかる費用は、大きく「設立(開業)費用」と「運転資金」の2種類に分けられます。設立費用とは、事業をスタートさせるために一度だけかかる費用のことです。たとえば、店舗を借りるための敷金・礼金、設備や機器の購入費、ホームページの制作費などが該当します。法人を設立する場合は、登記費用などの手続き費用も含まれます。
一方の運転資金は、事業が安定して収益を生み出すようになるまでの間、継続してかかる費用です。家賃、人件費、仕入れ代金、広告宣伝費などが代表的です。事業開始直後は売上が安定しないことが多いため、少なくとも3ヶ月分、飲食業や小売業などの仕入れが必要な業種では6ヶ月分の運転資金を手元に持っておくことが推奨されています。
起業前にこの2種類の費用を正確に見積もることが、資金計画を立てるうえで最初の重要なステップになります。
日本政策金融公庫の調査でわかる開業費用の実態
日本政策金融公庫総合研究所が実施した「2023年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均は1,027万円、中央値は550万円という結果が出ています。しかし、この数値はすべての業種・規模を含んだ平均であり、飲食店や製造業など設備投資が大きい業種が平均を押し上げている側面があります。
費用帯別の分布をみると、250万円未満が20.2%、250万〜500万円未満が23.6%と、500万円未満で開業した事業者が全体の約44%を占めています。コンサルティング、ライター、デザイナー、プログラマーなどパソコン1台で始められる職種であれば、数万円〜30万円程度で起業できるケースも少なくありません。
重要なのは、自分の業種・事業モデルに合った費用感を把握することです。全体の平均に惑わされず、自分のビジネスに必要な費用を丁寧に積み上げていきましょう。
費用を抑えて起業できるケースとは
個人事業主として起業する場合、開業届の提出は税務署への無料申請で完結します。手数料も収入印紙代も不要です。そのため、自宅でパソコンを使って業務を行うフリーランスや、すでに必要な道具を持っているクリエイター系の職種であれば、実質的に費用をほぼゼロにして起業することも可能です。
費用を最小限に抑えるポイントは、固定費をできるだけ持たないことです。オフィスを借りる代わりにコワーキングスペースや自宅を活用する、高価な設備を購入する代わりにレンタルやサブスクリプションサービスを利用するといった工夫で、初期費用を大幅に圧縮できます。また、起業当初は外注費を抑えて自分でできることは自分でこなすことも、資金を温存するうえで有効な戦略です。
個人事業主として起業する費用
開業届の提出にかかる費用は0円
個人事業主として起業する最大のメリットのひとつは、開業手続きにお金がかからないことです。開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、事業開始から1ヶ月以内に最寄りの税務署に提出するだけで完結します。申請費用は不要で、窓口に持参するか郵送、または国税庁の「e-Tax」を使ってオンラインで提出することができます。
青色申告承認申請書も同時に提出しておくと、確定申告時に最大65万円の青色申告特別控除が受けられるため、節税効果が高まります。こちらも費用は一切かかりません。業種によっては、保健所の許可証や都道府県知事への届出など別途手続きが必要になる場合がありますが、多くの場合は数千円〜数万円の範囲で収まります。
個人事業主の初期費用の内訳
個人事業主の初期費用は、事業内容によって大きく異なります。以下に代表的な費用項目を見ていきましょう。
設備・機器費用は、業種によって最も大きなウェイトを占める費用です。IT系・クリエイター系であればパソコン(10万〜30万円程度)と周辺機器があれば十分ですが、飲食店であれば厨房設備に100万〜300万円以上かかることもあります。
店舗・オフィス費用は、実店舗を持つ場合は物件の敷金・礼金(家賃の1〜3ヶ月分)が必要です。自宅で開業する場合や完全なオンライン事業であれば、この費用はゼロにできます。
ホームページ・広告費は、事業の認知度を高めるために重要です。ホームページ制作費は外注すると30万〜50万円程度かかりますが、無料〜月数千円のCMSサービスを活用すれば大幅に節約できます。
ソフトウェア・ツール費は、会計ソフトや業務管理ツールへの費用です。クラウド会計ソフトは月額1,000〜3,000円程度から利用できます。
業種別の初期費用目安
業種によって必要な初期費用は大きく異なります。それぞれの目安を把握しておきましょう。
IT・プログラマー・Webデザイナーは、パソコン1台と高速インターネット環境があれば起業できます。初期費用は5万〜30万円程度が目安です。自宅をオフィス代わりに使えば、さらに費用を圧縮できます。
ライター・翻訳者・コンサルタントも、初期費用は比較的低く抑えられます。5万〜50万円程度で名刺作成、ホームページ制作、必要なソフトウェアを揃えられるでしょう。
ネイリスト・エステティシャンなどの美容系は、施術道具や材料費で30万〜100万円程度の初期費用がかかります。自宅サロンとして開業するか、テナントを借りるかによっても大きく異なります。
飲食業は初期費用が最も高くなりやすい業種のひとつです。物件の敷金・礼金、内装工事、厨房設備、食器・備品をそろえると、小さなカフェでも200万〜500万円、本格的なレストランでは1,000万円以上になることもあります。
法人設立と個人事業主の費用比較
株式会社の設立費用
株式会社として起業する場合、設立時にかかる法定費用の合計は最低でも約16万〜25万円程度です。主な費用の内訳は以下の通りです。
定款認証手数料は、公証役場で定款を認証してもらうために必要な費用で、資本金額によって異なります。資本金100万円未満の場合は3万円(一定の要件を満たす場合は1万5,000円)、100万〜300万円未満は4万円、300万円以上は5万円がかかります(2024年12月1日改正後)。
収入印紙代は、紙の定款を作成する場合に4万円が必要です。ただし、電子定款を利用すれば収入印紙代は不要になるため、設立費用を4万円節約できます。
謄本手数料は、定款謄本(写し)を取得するための費用で、2,000円程度です。
登録免許税は、法務局に会社設立の登記を申請する際に必要な費用です。資本金の1,000分の7(最低15万円)が法定されており、資本金が2,143万円未満であれば15万円になります。
これらを合計すると、電子定款を使用した場合でも約20万円、紙定款の場合は約24万円程度が最低ラインとなります。
合同会社の設立費用
合同会社(LLC)は、株式会社よりも低コストで設立できる会社形態として注目されています。合同会社の設立費用の合計は、最低でも約6万円〜10万円程度です。
合同会社では定款の公証役場での認証が不要なため、定款認証手数料が発生しません。これが株式会社との大きな違いです。紙の定款を作成する場合は収入印紙代4万円がかかりますが、電子定款にすればこれも不要です。
登録免許税は資本金の1,000分の7(最低6万円)と、株式会社よりも安く設定されています。
合同会社は設立費用の安さに加え、利益配分を自由に決められる、役員の任期がないため更新登記が不要といった運営面のメリットもあります。ただし、株式会社と比べて社会的信用度が低く見られることがある点は考慮が必要です。起業の目的や将来の事業展開を考慮したうえで、合同会社か株式会社かを選択しましょう。
個人事業主・合同会社・株式会社の費用比較まとめ
3つの形態を費用面で比較すると、個人事業主が最もコストを抑えられることがわかります。
個人事業主の設立費用は実質0円(開業届の提出のみ)です。法人と比べて設立コストがほぼゼロであるため、起業の敷居が低く、まず小さく始めて事業が軌道に乗ってから法人化するという戦略も取りやすい形態です。
合同会社の設立費用は最低約6万円(電子定款利用時)〜10万円程度です。株式会社より安く設立でき、手続きも比較的シンプルです。
株式会社の設立費用は最低約20万円(電子定款利用時)〜25万円程度です。3つの中で最も費用がかかりますが、社会的な信用度が高く、資金調達しやすいメリットがあります。
年間の維持費についても差があります。個人事業主は法人住民税の均等割(最低7万円)が不要です。法人は黒字・赤字に関わらず最低でも年間7万円の法人住民税均等割がかかります。起業初期のコストを最小化したいなら個人事業主から始めるのが合理的な選択です。
起業に必要な資金を調達する方法
自己資金で賄う場合の注意点
起業の際に最も安心な資金調達方法は自己資金の活用です。借り入れがないため返済の心配がなく、事業の意思決定を外部に左右されません。しかし、自己資金をすべて起業に投入してしまうと、予想外の出費や売上が上がらない時期に生活費が足りなくなるリスクがあります。
一般的に、起業に使う自己資金は手持ちの貯蓄の50〜70%以内に抑え、生活費の少なくとも3〜6ヶ月分を手元に残しておくことが推奨されています。また、金融機関から融資を受ける際には「融資額の3分の1以上の自己資金があること」を審査基準にしているケースが多いため、借り入れを想定している場合でも一定の自己資金を確保しておくことが重要です。
日本政策金融公庫の創業融資を活用する
創業時の資金調達として最も広く利用されているのが、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。民間の金融機関と異なり、過去の経営実績がなくても融資を受けやすく、金利も比較的低水準に設定されています。
日本政策金融公庫の2024年度上半期のデータによると、創業融資の1先あたり平均融資額は約520万円となっており、実際に多くの起業家がこの制度を活用して事業をスタートさせています。融資限度額は最大7,200万円ですが、実際の融資額は事業計画や自己資金の額によって決まります。
融資を受けるためには、具体的で説得力のある事業計画書の作成が不可欠です。事業の概要、ターゲット顧客、収支計画、自己資金の状況などを丁寧にまとめることで、融資審査を通過しやすくなります。地域の商工会議所や中小企業診断士などの専門家のサポートを受けながら準備することもおすすめです。
補助金・助成金を活用する
返済不要の資金として活用できるのが、国や自治体が提供する補助金・助成金です。起業・創業に関連する主な制度として以下のものがあります。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組むための費用を補助する制度です。一般型と創業型があり、補助率は2/3、上限50万〜200万円程度(枠によって異なる)が設定されています。
創業助成事業(東京都)は、都内で創業予定の個人または創業から5年未満の事業者に対して、賃借料・広告費・人件費などの費用を補助する制度です。最大400万円まで助成されます(2024年度実績)。
各都道府県・市区町村でも独自の創業支援制度を設けているケースがあります。起業する地域の自治体ウェブサイトや、よろず支援拠点・商工会議所に問い合わせて、活用できる制度を調べることをおすすめします。
補助金・助成金は採択競争があること、申請から入金まで時間がかかること、補助対象外の費用もあることに注意が必要です。資金計画の補助的な手段として位置づけましょう。
クラウドファンディングやその他の資金調達方法
近年注目を集めている資金調達方法がクラウドファンディングです。事業のアイデアや商品・サービスをインターネット上で公開し、賛同してくれた支援者から資金を集める仕組みです。お金を集めながら同時にマーケティングや認知拡大も行えるため、起業初期の資金調達として活用する事業者が増えています。
家族・知人からの借り入れも、銀行融資と比べて手続きが簡単で利息も低く抑えられる場合がある調達方法です。ただし、人間関係に影響が出るリスクもあるため、必ず書面で借用書を作成し、返済条件を明確にしておくことが重要です。
ビジネスカードや法人カードの活用も資金繰りを改善する有効な手段のひとつです。たとえば、INVOYのカード払いサービス(https://go.invoy.jp/service/pay/)を利用すると、取引先への支払いをクレジットカードで行い、支払いを最大60日延長することが可能です。資金繰りに余裕を持たせながら起業初期を乗り越えるための選択肢として検討してみてください。

起業費用を節約する具体的な方法
バーチャルオフィスやコワーキングスペースを活用する
起業初期に大きなウェイトを占めるオフィス費用は、工夫次第で大幅に削減できます。バーチャルオフィスサービスを利用すれば、月額数千円〜1万円程度で都心の住所を事業用として登録できます。実際には自宅やカフェで業務を行いながら、名刺やホームページには都心の住所を掲載できるため、対外的な信頼性を保ちつつコストを節約できます。
コワーキングスペースは、作業スペースとして必要な時だけ利用できるシェアオフィスです。月額固定プランから1日利用プランまで用意されており、フレキシブルに利用できます。会議室が必要な時だけ予約する形にすれば、専用オフィスを借りるよりも大幅にコストを抑えられます。
起業から数年間はバーチャルオフィスやコワーキングスペースを活用し、事業が安定して売上が増えてきた段階で独立した事務所を持つというステップアップ戦略が、資金効率の面でも優れています。
無料・低コストのツールを最大限活用する
起業当初は、有料のソフトウェアやサービスをできるだけ無料・低コストの代替ツールに置き換えることで、ランニングコストを削減できます。
会計・確定申告には、クラウド会計ソフト(マネーフォワードクラウドやfreeeなど)の無料プランや低価格プランを活用しましょう。月額1,000〜3,000円程度で自動で帳簿をつけられます。
コミュニケーションツールには、Slack(無料プラン)やGoogle Workspace(小規模なら無料のGoogleツール群)が使えます。ファイル共有・プロジェクト管理もGoogleドライブやNotionの無料プランで十分対応できる場面が多いです。
ホームページ制作は、WordPressやSTUDIOなどのCMSを活用すれば、月数千円程度のサーバー・ドメイン費用のみで自作できます。制作費を大幅に節約しながら、専門的な見た目のサイトを作ることが可能です。
最初から高機能・高コストのツールに揃える必要はありません。事業が成長するにつれて、本当に必要なツールに投資していくアプローチが費用対効果の高い選択です。
個人事業主の節税で実質的な費用負担を軽減する
起業費用の節約は、支出を減らすことだけでなく、税金を適切に抑えることでも実現できます。個人事業主が活用できる主な節税策として覚えておきたいのが「開業費」の特例処理です。
開業前にかかった費用(名刺印刷代、セミナー受講費、市場調査費など)は、「開業費」として繰延資産に計上できます。開業費は任意の年に好きな金額を経費計上できる仕組みになっているため、利益が多く出た年にまとめて経費として落とすと節税効果が高まります。
また、青色申告をすることで最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。これにより、所得税・住民税・国民健康保険料の負担を大幅に減らせます。自宅を事業で使用している場合は、家賃や光熱費の一部を家事按分として経費に計上することも可能です。
適切な節税を行うことで、実質的な起業コストを抑えることができます。不明な点は税理士に相談することをおすすめします。
個人事業主と法人、どちらで起業すべきか
まずは個人事業主から始めるメリット
個人事業主で始めるメリットは多くあります。まず設立費用が実質ゼロです。開業届を出すだけで事業を開始できるため、リスクを最小化してビジネスモデルを検証できます。事業がうまくいかなかった場合でも、廃業手続きは廃業届を出すだけで完結します。
次に、経理・税務の手続きが法人より簡単です。確定申告は青色申告を選択することで節税できますが、株式会社の決算・法人税申告と比べると手続きの負担は軽くなります。
さらに、所得が少ない時期は法人より税負担が低くなるケースが多いです。法人は利益の有無に関わらず法人住民税均等割(年間最低7万円)がかかりますが、個人事業主にはこの負担がありません。
法人化を検討するタイミング
個人事業主として事業が成長してきたら、法人化(会社設立)を検討するタイミングが訪れます。一般的に以下のような状況になったときが、法人化を検討するサインです。
年間所得が700〜800万円を超えてきたとき、法人税率と個人の所得税率を比較すると、法人化した方が税負担を軽くできる可能性が出てきます。所得水準を目安に、税理士に試算してもらうことをおすすめします。
取引先に大企業や官公庁が増えてきたとき、取引の条件として法人格を求められるケースがあります。個人事業主のままでは受注できない案件も出てくるため、事業拡大の機会を広げるために法人化を選択する場合があります。
従業員を雇用したいとき、社会保険の加入義務や信頼性の面で法人の方が採用しやすくなります。優秀な人材を確保するためにも、法人格を持つことが有利に働くことがあります。
資金調達を本格的に行いたいとき、銀行融資やベンチャーキャピタルからの投資は、個人事業主より法人の方が受けやすい傾向があります。
個人事業主と法人の選択基準を整理する
初期費用の観点では、個人事業主が圧倒的に有利です。費用をゼロに抑えて起業できるため、手元資金が少ない方や、まずビジネスモデルを試してみたい方に向いています。
社会的信用の観点では、法人の方が優位です。法人格があることで、取引先からの信頼を得やすく、採用活動でも有利になります。将来的に大きな事業を展開したい場合は、最初から法人として設立するという選択もあります。
税負担の観点では、事業規模によって異なります。年間所得が低い時期は個人事業主の方が税負担が軽く、高収益になったタイミングで法人化する戦略が税効率の面では有利です。
手続きの煩雑さの観点では、個人事業主の方がシンプルです。法人は設立登記から始まり、決算・法人税申告、社会保険の手続きなど、継続的な管理業務が増えます。
どちらの形態を選ぶにしても、税理士や商工会議所などの専門機関に相談しながら判断することをおすすめします。
起業前に確認しておきたいよくある質問
個人事業主で起業する場合、開業届以外に必要な手続きはありますか?
業種によって、開業届以外に必要な許認可・資格・届出が存在します。たとえば、飲食業を営む場合は保健所の飲食店営業許可が必要です。美容業はサロンを開業するために美容所の開設届が必要で、美容師免許の取得も求められます。建設業・宅建業・士業(税理士・社労士など)もそれぞれ専門的な許認可や資格が必要になります。
自分の業種に必要な手続きを事前に確認しておきましょう。確認が不十分なまま開業してしまうと、無許可営業として罰則を受ける可能性があります。業種ごとの必要手続きは、各省庁のウェブサイトや商工会議所、よろず支援拠点に問い合わせることで確認できます。
起業資金が不足している場合、何から始めればよいですか?
最初に、本当に今すぐ起業する必要があるかを見直しましょう。会社員として働きながら副業・フリーランスとして収入を得てみて、事業の見通しが立ってから本格的に独立するというアプローチが資金的にも安全です。
資金調達の面では、日本政策金融公庫の創業融資は実績ゼロでも相談できます。また、各自治体の創業支援窓口では無料の経営相談や、補助金・助成金の情報提供を行っています。まず専門家に相談することが、資金不足を解消する最初のステップです。
個人事業主として起業した後、どのタイミングで消費税を払い始めますか?
消費税の納税義務は、原則として前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円を超えた事業者に発生します。つまり、新たに個人事業主として開業した場合、開業初年度と翌年度は消費税の納税義務が免除されるのが基本です(インボイス登録事業者を除く)。
ただし、2023年10月から始まったインボイス制度により、適格請求書発行事業者(課税事業者)として登録した場合は、開業直後から消費税の申告・納税が必要になります。BtoB取引が中心の事業者でインボイス登録をしている場合は、消費税の管理もしっかり行いましょう。
インボイス登録をするかどうかは、取引先の状況(消費税の仕入税額控除を希望するかどうか)と自分の事業規模を考慮して判断します。免税事業者のまま事業を始め、取引先のニーズに応じてインボイス登録を検討するというアプローチも選択肢のひとつです。
起業後の経費管理はどうすればいいですか?
起業後の経費管理は、事業の継続的な成長のために非常に重要です。まず、事業用と個人用の口座・カードを分けることが基本です。混在させると経理処理が複雑になり、確定申告の際に大変な作業になります。
レシート・領収書は必ず保管しましょう。電子帳簿保存法に対応したクラウド会計ソフトを使えば、スマートフォンでレシートを撮影するだけで帳簿に登録できます。紙で保管する場合は月ごとに整理しておくと確定申告時の作業が楽になります。
毎月末に当月の収支を確認する習慣をつけることも大切です。売上と経費の状況を把握することで、資金繰りの問題を早期に発見できます。資金繰りに不安を感じたら、INVOYのような請求書・資金管理ツールの活用も検討してみてください。
まとめ:個人で起業する費用を正確に把握して、確実なスタートを切りましょう
この記事では、個人で起業する際にかかる費用について、個人事業主と法人の違い、初期費用の内訳、資金調達方法、節約の方法まで幅広く解説しました。
個人で起業する費用のポイントをまとめると、個人事業主の開業は実質0円から始められ、IT系やコンサルタント系なら数万円〜100万円以内が目安です。合同会社設立は最低約6万円、株式会社設立は最低約20万円の法定費用がかかります。資金が不足する場合は日本政策金融公庫の創業融資(平均融資額約520万円)や補助金・助成金を活用しましょう。バーチャルオフィスや無料ツールの活用、適切な節税で実質的なコストを大幅に抑えることも可能です。
「費用がかかりそうで起業に踏み切れない」と感じている方も、まずは自分の事業に本当に必要な費用を洗い出すところから始めてみましょう。専門家への相談(商工会議所、税理士、よろず支援拠点)を無料で活用しながら、着実な準備を進めることが起業成功への近道です。



クラウドファンディング 目標金額 未達成になったらどうなる?…
クラウドファンディングに挑戦したものの、目標金額に届かず未達成になってしまった場合、支援金はどうなる…