
消費税の中間納付は、直前の課税期間の確定消費税額が48万円を超えると原則必要になる、年税額の前払い制度です。判定では地方消費税を含めず、実際の納付額は国税分に地方消費税分を足して考えます。対象かどうかは48万円、400万円、4,800万円の区分で確認し、期限までに対応することが重要です。まず確認しましょう。
この記事でわかること
– 中間納付税額の意味と、消費税・法人税・所得税予定納税の違い
– 消費税の中間納付が必要になる条件と回数・期限
– 国税分と地方消費税分を含めた中間納付額の計算方法
目次
中間納付税額とは(消費税・法人税・所得税の違い)
中間納付税額の基本的な考え方(税金の前払い)
中間納付税額とは、年間の税額が確定する前に、一定の基準であらかじめ納める税額のことです。税額が大きくなりやすい税目では、年1回の納付だけにすると納税者の資金繰りにも、国の歳入管理にも負担が集中します。
そこで、前年度などの実績をもとに、年度の途中で一部を前払いする仕組みが設けられています。これが中間納付や予定納税です。前払いであるため、最終的な税額は確定申告で精算され、中間納付した税額は確定申告で計算した年税額から差し引かれます。
消費税・法人税・所得税予定納税の違い
消費税は「中間申告・中間納付」と呼びます。判定で見るのは、個人は前年、法人は前事業年度の確定消費税額で、48万円を超えるかどうかで義務が決まります。回数は確定消費税額に応じて年1回・年3回・年11回に分かれます。この記事で詳しく解説するのはこの制度です。
法人税は「中間申告・予定申告」と呼びます。判定では前事業年度の法人税額などを見ます。事業年度の途中で申告する仕組みで、消費税の年3回・年11回とは別の制度です。この記事では概要のみを扱います。
所得税は「予定納税」と呼びます。前年分の所得税額などから計算される予定納税基準額で判定し、税務署から通知された予定納税額を期別に納付します。こちらもこの記事では概要のみを扱います。
消費税については、国税庁が「直前の課税期間の確定消費税額」に応じて中間申告の回数を定めています。この確定消費税額には地方消費税を含みません。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
この記事で解説するのは「消費税」の中間納付
この記事で扱うのは「消費税」の中間納付です。法人税や所得税にも似た前払い制度はありますが、消費税では、判定基準となる金額、年1回・年3回・年11回という回数区分、地方消費税を合わせて納付する点が実務上のポイントになります。
以降で「前年の確定消費税額」「直前の課税期間の確定消費税額」と書く場合、原則として国税分の消費税額を指します。納付時には地方消費税も一緒に支払いますが、義務の有無や回数を判定するときは国税分だけを見る、という区別が重要です。
そもそも消費税の中間納付とは?制度の目的
なぜ中間納付が必要なのか(国と事業者双方の目的)
消費税の中間納付は、消費税を年の途中で分割して納める制度です。消費税の課税期間は原則として1年ですが、一定規模以上の税額が見込まれる事業者には、中間申告と納付が求められます。
国側の目的は、税収を特定の時期に偏らせず、年間を通じて安定的に確保することです。事業者側にも、確定申告時の一括納付を避け、納税資金を計画しやすくする意味があります。
確定申告との関係:中間納付はあくまで「前払い」
中間納付は、年間税額とは別に追加で負担する税金ではありません。課税期間が終わった後に確定申告を行い、年間の正式な消費税額と地方消費税額を計算したうえで、中間申告で納付すべき税額を控除します。
中間納付税額より年間の確定税額が多ければ、確定申告時に差額を追加で納付します。反対に、中間納付税額が確定税額を上回る場合は、確定申告で精算されます。国税庁 No.6609 でも、中間申告による納付税額がある場合は確定申告の際に控除され、控除しきれない場合は還付されるとされています。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
あなたは対象者?中間納付の義務が発生する条件
基準となる「前年の確定消費税額48万円」の壁
消費税の中間申告書の提出が必要になるのは、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える事業者です。法人では、この前事業年度を「直前の課税期間」と考えます。
| 直前の課税期間の確定消費税額 | 中間申告の回数 |
| 48万円以下 | 原則不要(任意の中間申告制度あり) |
| 48万円超 400万円以下 | 年1回 |
| 400万円超 4,800万円以下 | 年3回 |
| 4,800万円超 | 年11回 |
出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
48万円以下であれば原則として中間申告は不要です。48万円を超えると義務が発生し、400万円、4,800万円の区分によって回数が増えます。
「確定消費税額」に地方消費税は含まない
中間納付の対象判定で特に間違えやすいのが、「確定消費税額」の範囲です。消費税を納付するときは、国税である消費税と地方消費税を合わせて納めるため、合計額で48万円を超えるかどうかを見てしまうケースがあります。
しかし、中間申告の判定に使う確定消費税額には、地方消費税額を含めません。国税庁 No.6609 でも、確定消費税額は中間申告対象期間の末日までに確定した消費税の年税額をいい、地方消費税は含まないとされています。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
つまり、判定は国税分、納付は国税分+地方消費税分です。この違いを混同すると、中間申告の義務や回数を誤って判断するおそれがあります。
法人と個人事業主で判定基準は同じか
中間申告が必要になる金額の基準は、法人と個人事業主で同じです。どちらも、消費税の年税額が48万円を超えるかどうかで義務の有無を判断します。
違うのは、参照する期間です。個人事業主は前年の消費税額で判定します。法人は前事業年度の消費税額で判定します。事業年度は法人ごとに異なるため、自社の直前の課税期間における確定消費税額を見ます。
課税期間の特例を適用している場合は対象外
課税期間の特例制度を適用している事業者は、中間申告書を提出する必要がありません。国税庁 No.6609 でも、課税期間の特例制度を適用している事業者は中間申告書を提出する必要はないとされています。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
課税期間の特例とは、消費税の課税期間を通常の1年ではなく、より短い単位にして申告する制度です。すでに短い周期で申告しているため、さらに中間申告を重ねる必要がない、という整理です。
対象者判定フローチャート
中間納付の対象者かどうかは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
| 確認ステップ | 判定 |
| 1. 消費税の課税事業者である | 次へ進む |
| 2. 課税期間の特例制度を適用している | 中間申告は不要 |
| 3. 直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない)が48万円以下 | 原則として中間申告は不要。任意の中間申告制度あり |
| 4. 同額が48万円超 400万円以下 | 年1回の中間申告 |
| 5. 同額が400万円超 4,800万円以下 | 年3回の中間申告 |
| 6. 同額が4,800万円超 | 年11回の中間申告 |
この表で使う確定消費税額は、地方消費税を含まない国税分です。納付書や会計データの合計額だけで判断せず、国税分を確認しましょう。
義務はなくても使える「任意の中間申告制度」
直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下であれば、原則として中間申告の義務はありません。ただし、任意の中間申告制度を利用できる場合があります。国税庁 No.6609 の回数表でも、48万円以下の区分には「任意の中間申告制度あり」と示されています。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
任意の中間申告制度は、義務がない事業者が自ら中間申告・納付を行い、納税資金を分散させるための制度です。利用を検討する際は、届出や適用開始時期などの手続き面を事前に確認しておきましょう。
中間納付の回数・金額・期限 早見表
前年の確定消費税額別の回数と納付額(国税+地方消費税)
消費税の中間納付で実際に支払う金額は、国税分の消費税だけではありません。回数ごとの計算で求めた国税分に、その78分の22に相当する地方消費税分を加えて納付します。
| 直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない) | 回数 | 1回あたりの消費税(国税) | 1回あたりの地方消費税 | 実際に納付する額の考え方 |
| 48万円以下 | 原則不要 | なし | なし | 任意の中間申告制度あり |
| 48万円超 400万円以下 | 年1回 | 確定消費税額の6/12 | 国税分の78分の22 | 国税分+地方消費税分 |
| 400万円超 4,800万円以下 | 年3回 | 確定消費税額の3/12 | 国税分の78分の22 | 国税分+地方消費税分 |
| 4,800万円超 | 年11回 | 確定消費税額の1/12 | 国税分の78分の22 | 国税分+地方消費税分 |
出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
直前の課税期間が12か月に満たない場合は、計算方法が異なります。設立初年度の翌期や決算期変更があった場合などは、個別に確認が必要です。
年1回の場合の対象期間と期限(個人事業者は8月31日)
年1回の中間申告に該当するのは、直前の課税期間の確定消費税額が48万円超400万円以下の事業者です。納付額は、国税分として直前の課税期間の確定消費税額の6/12を計算し、さらにその78分の22に相当する地方消費税分を合わせます。
個人事業者で年1回の場合、中間申告の対象期間は1月1日から6月30日までで、申告・納付期限は8月31日です。振替納税を利用している場合は、振替日が別途設定されます。
法人の場合は、課税期間開始から6か月間が対象期間となり、期限は原則として、その中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内です。
年3回の場合の対象期間と期限
年3回の中間申告に該当するのは、直前の課税期間の確定消費税額が400万円超4,800万円以下の事業者です。1回あたりの国税分は、直前の課税期間の確定消費税額の3/12で計算し、その78分の22に相当する地方消費税分を加えます。
年3回の場合は、課税期間を3か月ごとの中間申告対象期間に区切って申告・納付します。期限は、各中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内です。
個人事業者についても、ここでは各回の具体的な期限日を示しません。実務上の納期限・振替日は、国税庁や税務署からの通知で確認しましょう。
年11回の場合の対象期間と期限(法人の第1回特例を含む)
年11回の中間申告に該当するのは、直前の課税期間の確定消費税額が4,800万円を超える事業者です。1回あたりの国税分は確定消費税額の1/12で計算し、地方消費税分としてその78分の22を加えます。
| 区分 | 対象期間 | 申告・納付期限 |
| 個人事業者 | 1月から3月分 | 5月末日 |
| 個人事業者 | 4月から11月分 | 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
| 法人 | 課税期間開始後の1か月分 | 課税期間開始日から2か月を経過した日から2か月以内 |
| 法人 | 上記1か月分以後の10か月分 | 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
| 確定申告の期限延長特例を受けている法人 | 課税期間開始後の2か月分 | 課税期間開始日から3か月を経過した日から2か月以内 |
| 確定申告の期限延長特例を受けている法人 | 以後9か月分 | 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
年11回の法人では、最初の1か月分だけ通常の「末日の翌日から2か月以内」とは異なる扱いになります。確定申告の期限延長特例を受けている法人では、課税期間開始後の2か月分について別の期限が設けられています。
消費税の中間納付額の計算方法
予定申告方式:前年実績で自動計算される
予定申告方式は、直前の課税期間の確定消費税額をもとに中間納付額を計算する方法です。税務署から送られる中間申告書や納付書の内容に沿って納付するため、事業者が中間申告対象期間の売上や仕入を集計して税額を計算する必要はありません。
期限までに中間申告書を提出しない場合は、中間申告書の提出があったものとみなされ、直前の課税期間の実績により計算した消費税額が確定します。期限後に「仮決算で少ない金額にしたい」と切り替えることはできません。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
計算3ステップ(国税分→地方消費税分→合算)
予定申告方式で実際に納付する額は、次の3ステップで考えるとわかりやすくなります。
| ステップ | 内容 |
| 1. 国税分を計算する | 年1回は確定消費税額の6/12、年3回は3/12、年11回は1/12 |
| 2. 地方消費税分を計算する | ステップ1で出した国税分の78分の22 |
| 3. 合算する | 国税分と地方消費税分を足した額が実際に納付する額 |
ここで使う「確定消費税額」は地方消費税を含まない国税分です。一方、納付額を考えるときは地方消費税分を加えます。端数処理の具体的な取扱いは本記事では扱いません。次の計算例も概算として確認してください。
計算例:前年の確定消費税額100万円のケース
前年の確定消費税額(国税)が100万円で、年1回の中間申告に該当するケースを考えます。ここでは端数処理を厳密に扱わず、概算で示します。
1. 国税分: 1,000,000円 × 6/12 \= 500,000円
2. 地方消費税分: 500,000円 × 22/78 ≒ 141,000円
3. 実際に納付する額: 約641,000円
この例では、48万円超400万円以下に該当するため、中間申告は年1回です。実際の納付では、国税分の50万円だけでなく、地方消費税分を加えた約64万1,000円を見込む必要があります。
仮決算方式:業績悪化時に有利
仮決算方式は、中間申告対象期間について仮決算を行い、その期間の実績に基づいて消費税額と地方消費税額を計算し、中間申告・納付する方法です。予定申告方式が前年実績を使うのに対し、仮決算方式は当期の中間期間の売上や仕入を反映できます。
前年より売上が大きく落ちている、仕入や設備投資が増えているなど、予定申告方式の金額が当期の実態より重い場合には、仮決算方式によって中間納付額を抑えられる可能性があります。ただし、仮決算は本決算に近い集計や申告書作成が必要になるため、事務負担は大きくなります。
また、仮決算で計算した税額がマイナスになっても、中間申告の段階で還付は受けられません。さらに、仮決算による中間申告書を期限後に提出することはできません。期限を過ぎると、直前の課税期間の実績に基づく中間申告書の提出があったものとみなされます。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
仮決算でも簡易課税制度は適用できる
簡易課税制度を選択している事業者は、仮決算による中間申告では簡易課税を使えないのではないか、と迷うことがあります。しかし、国税庁 No.6609 では、仮決算を行う場合にも簡易課税制度の適用があるとされています。出典:国税庁 タックスアンサー No.6609 中間申告の方法
つまり、簡易課税制度を適用していること自体は、仮決算方式を検討する妨げにはなりません。簡易課税の基本的な仕組みを確認したい場合は、簡易課税制度とは?概要やメリット・デメリットも参考になります。
予定申告と仮決算、どちらを選ぶべきか
予定申告は負担が軽く、仮決算は当期実績を反映します。仮決算は、中間申告対象期間の消費税額および地方消費税額で申告・納付できます。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
メリット・デメリット比較
| 項目 | 予定申告 | 仮決算 |
| 計算 | 直前の課税期間の確定消費税額 | 中間申告対象期間の実績 |
| 事務負担 | 少ない | 本決算に近い集計 |
| 当期業績 | 反映されにくい | 反映できる |
| 向くケース | 業績が安定 | 売上減少や仕入増加 |
| 注意点 | 業績悪化時も前年実績 | 期限内提出 |
仮決算を検討すべき具体的なケース
売上減少、設備投資や大きな仕入、災害・事故による損失がある場合は、仮決算額と予定申告額の差を試算します。
仮決算の注意点
仮決算で税額がマイナスでも、中間申告では還付されません。期限後提出もできず、未提出の場合は直前の課税期間の実績による中間申告書の提出があったものとみなされます。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
選択を間違えないための判断フロー
| 判断 | 確認すること |
| 1 | 予定申告額を確認する |
| 2 | 中間申告対象期間の売上・仕入・投資額を概算する |
| 3 | 予定申告額と仮決算額の差を試算する |
| 4 | 差額が事務負担や税理士費用を上回るか確認する |
| 5 | 仮決算を選ぶ場合は期限内に申告書を提出する |
申告から納付までの手続きの流れ
申告書の作成と提出方法
予定申告方式では中間申告書や納付書を確認します。未提出でも提出があったものとみなされ、直前の課税期間の実績で税額が確定します。
仮決算方式では、中間申告対象期間の売上、仕入、消費税額などを集計し、明細書類を添付します。提出先は所轄税務署で、方法は窓口、郵送、電子申告などです。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
e-Taxを利用した電子申告・納付
e-Taxでは申告・納付をオンラインで進め、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付などを選べます。
中間納付の納付方法と手数料の比較
納付方法の比較表
クレジットカード納付は24時間利用できますが、決済手数料がかかり、領収証書は出ません。出典:国税庁 クレジットカード納付のQ&A
| 納付方法 | 手数料 | 領収証書 | 利用時間 |
| ダイレクト納付 | 条件確認 | なし | e-Tax時間 |
| インターネットバンキング | 金融機関条件 | なし | 金融機関時間 |
| クレジットカード納付 | 1万円ごとに99円(税込) | なし | 24時間 |
| スマホアプリ納付 | アプリ確認 | なし | アプリ条件 |
| コンビニ納付 | 条件確認 | 店舗確認 | 店舗時間 |
| 金融機関・税務署窓口 | 現金と納付書 | 必要時に選びやすい | 窓口時間 |
領収証書は現金と納付書の窓口納付で対応します。金融機関、コンビニ、税務署の窓口ではカード納付できません。
クレジットカード納付の決済手数料はいくらか
対象税目には「消費税及び地方消費税」が含まれます。カードはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubです。
| 納付税額 | 決済手数料(税込) |
| 1円〜10,000円 | 99円 |
| 10,001円〜20,000円 | 198円 |
| 20,001円〜30,000円 | 297円 |
| 30,001円〜40,000円 | 396円 |
| 40,001円〜50,000円 | 495円 |
以降も10,000円を超えるごとに加算され、実効で約1.0%です。継続手続ではないため、その都度手続きが必要です。
中間納付額641,000円の場合、決済手数料は99円 × 65 \= 6,435円です。国税クレジットカード納付は損か得か?手数料計算も参考になります。
手数料を払ってもカード納付が有利になるケース
カード納付の効果は、資金繰りの猶予と会員規約に基づくポイントです。
| 項目 | メリット | 注意点 |
| 決済手数料 | なし | 641,000円の例では6,435円 |
| 納付の繰り延べ | 資金流出を先送り | 支払日まで資金管理 |
| ポイント | 付与される場合がある | 還元率や対象可否は会員規約 |
| 利用時間 | 24時間手続きできる | メンテナンス等を確認 |
| 証憑 | 完了画面や完了メール | 領収証書は発行されない |
手数料を上回る資金繰り上の価値や、夜間・休日納付の必要がある場合は選択肢です。
中間納付の会計処理(仕訳)
税抜経理方式の場合
税抜経理方式では、中間納付した消費税を前払いとして「仮払金」または「仮払消費税等」で処理します。
| 借方 | 貸方 |
| 仮払金 500,000 | 普通預金 500,000 |
仮払消費税等を使う場合は借方を「仮払消費税等」とします。仮払金とは?仕訳から精算までも参考になります。
税込経理方式の場合
税込経理方式では、消費税額を売上や仕入に含め、中間納付時は「租税公課」として費用処理するのが一般的です。
| 借方 | 貸方 |
| 租税公課 500,000 | 普通預金 500,000 |
税込経理と税抜経理の違いは決算時の消費税処理にも影響します。租税公課と消費税の会計実務|税込・税抜経理の違いも参考になります。
決算時の精算仕訳と注意点
税抜経理方式で中間納付時に仮払金を使った場合、決算時に確定消費税額と中間納付分を精算します。
| 借方 | 貸方 |
| 未払消費税等 500,000 | 仮払金 500,000 |
税込経理方式では、決算時に年間の確定税額との整合を確認します。「中間納付税額」は実際に納付した税額ではなく、中間申告の際に納付すべき消費税額です。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
インボイス制度・2割特例と中間納付の関係
2割特例を使うと中間申告義務はどうなるか
中間申告の要否は、直前の課税期間の確定消費税額が48万円を超えるかどうかで判定します。確定消費税額には地方消費税を含みません。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
2割特例は、免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった小規模事業者の負担軽減措置です。適用期間は、適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間です。出典:国税庁 2割特例の概要
2割特例を使った課税期間の確定消費税額が48万円以下なら、翌課税期間の中間申告義務が生じない可能性があります。特例終了後に48万円を超える場合は注意が必要です。
2割特例の終了と3割特例の創設(令和8年度税制改正)
令和8年度税制改正では、個人事業者を対象に3割特例が創設されています。対象年分は令和9年分・令和10年分で、納付税額を売上税額の3割とすることができる特例です。法人は3割特例の対象外です。出典:国税庁 令和8年度税制改正特集(インボイス)
2割特例は令和8年9月30日の属する課税期間で終了し、法人は3割特例の対象外です。特例終了後に確定消費税額が48万円を超えると、中間申告が必要になる可能性があります。
ただし、これは No.6609 の48万円基準と、2割特例・3割特例を組み合わせた確認ポイントです。国税庁が明言したページは確認していないため、個別の判定は税理士または所轄税務署に相談してください。適格請求書と2割特例の今後も参考になります。
簡易課税を選択している場合の中間納付
簡易課税制度を選択している場合でも、仮決算による中間申告はできます。No.6609では、仮決算を行う場合にも簡易課税制度の適用があるとされています。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
中間納付でつまずきやすい点とよくある質問
中間申告書を期限までに提出しなかった場合
中間申告義務がある事業者が期限までに提出しない場合、提出があったものとみなされ、直前の課税期間の実績により消費税額が確定します。仮決算の期限後提出はできません。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
納付が遅れた場合の延滞税
納付すべき消費税額および地方消費税額が遅れた場合、法定納期限の翌日から納付の日までの延滞税を、本税と併せて納付します。延滞税の割合は年によって異なるため、納付時点で国税庁の公表内容を確認してください。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
払い過ぎた税金の還付について
中間納付は前払いです。確定申告で年間の消費税額から控除され、控除しきれない場合は還付されます。仮決算の税額がマイナスでも中間申告では還付されません。
中間納付と資金繰りの関係
中間納付は消費税の納付資金に影響します。売上入金、仕入・経費の支払い、納税時期がずれると、黒字でも資金繰りが苦しくなることがあります。予定申告額が重い場合は仮決算、納付タイミング調整はカード納付を検討します。
よくある質問
Q1. 中間納付税額とは何ですか(消費税・法人税・所得税で何が違いますか)
年間の税額確定前に前払いする税額です。消費税は直前の課税期間の確定消費税額で要否や回数が決まり、法人税や所得税とは異なります。
Q2. 前年の確定消費税額に地方消費税は含まれますか
含まれません。「確定消費税額」は国税分であり、地方消費税額は含みません。出典:国税庁 No.6609 中間申告の方法
Q3. 中間申告書を出し忘れるとどうなりますか
中間申告書の提出があったものとみなされ、直前の課税期間の実績により税額が確定します。仮決算による期限後提出はできません。
Q4. 業績が悪化しています。納付額を減らせますか
仮決算方式で売上減少や仕入増加を反映できる場合があります。ただし、税額がマイナスでも中間申告では還付されず、期限後提出もできません。
Q5. 中間納付した消費税は戻ってきますか
確定申告で年間税額から控除され、控除しきれない場合は還付されます。中間納付税額は、実際に納付した税額ではなく、中間申告の際に納付すべき消費税額です。
Q6. 中間納付はクレジットカードで払えますか。手数料はいくらですか
払えます。対象税目には「消費税及び地方消費税」が含まれます。決済手数料は、1万円まで99円(税込)で、以降も1万円を超えるごとに99円(税込)ずつ加算されます。出典:国税庁 クレジットカード納付のQ&A
Q7. 前年の消費税額が48万円以下ですが、中間納付できますか
任意の中間申告制度があります。直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下の事業者は、「任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書」により中間申告・納付できます。申告・納付期限は、6月中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内です。期限までに提出しない場合は、適用をやめる旨の届出書の提出があったものとみなされます。出典:国税庁 No.6611 任意の中間申告制度
Q8. 簡易課税を選んでいる場合も仮決算はできますか
できます。No.6609では、仮決算を行う場合にも簡易課税制度の適用があるとされています。
まとめ
消費税の中間納付は、直前の課税期間の確定消費税額を基準に、予定申告または仮決算で行います。
仮決算は業績悪化時に有効ですが、マイナスでも還付されず、期限後提出もできません。
クレジットカード納付は24時間使え、1万円ごとに99円(税込)の決済手数料がかかります。
インボイス制度の2割特例終了後は、翌課税期間の中間申告義務に影響する可能性があります。
INVOYは、請求書と支払い管理を効率化し、納税資金を見通しやすくします。



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