会計の基礎知識

雇用保険料率と計算方法|事業区分別の早見表と月給・賞与の計算例

最終更新日:

雇用保険料率 計算

雇用保険料は、毎月の給与や賞与の「賃金総額」に雇用保険料率を掛け、労働者負担分と事業主負担分をそれぞれ計算します。

現行の料率は令和8年度分で、2026年4月1日から2027年3月31日まで適用されます。

本記事は2026年8月12日に、厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率を出典として更新しています。

雇用保険料率の一覧

雇用保険料率は、事業の種類によって「一般の事業」「農林水産・清酒製造の事業」「建設の事業」の3区分に分かれます。給与計算では、まず自社の事業区分を確認し、その区分に対応する労働者負担率と事業主負担率を使います。

令和8年度の料率は、2026年4月1日から2027年3月31日までの賃金に適用されます。令和7年度以前の料率を給与計算システムや社内資料に残したままにしていると、従業員から控除する金額や事業主負担額がずれるため、年度替わりの確認が重要です。

事業区分別の料率(労働者負担・事業主負担・合計)

令和8年度の雇用保険料率は、次のとおりです。労働者負担分は給与や賞与から控除する保険料率、事業主負担分は会社が負担する保険料率を指します。

事業の種類労働者負担事業主負担合計
一般の事業5/1,0008.5/1,00013.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業6/1,0009.5/1,00015.5/1,000
建設の事業6/1,00010.5/1,00016.5/1,000

出典: 厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率

事業主負担分は、労働者と事業主がそれぞれ負担する「失業等給付等」の保険料率に、事業主だけが負担する「雇用保険二事業」の保険料率を加えたものです。内訳は次のようになります。

事業の種類失業等給付等(労働者)失業等給付等(事業主)雇用保険二事業(事業主のみ)
一般の事業5/1,0005/1,0003.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業6/1,0006/1,0003.5/1,000
建設の事業6/1,0006/1,0004.5/1,000

給与計算で従業員の控除額を出すときは、上記のうち労働者負担の料率を使います。事業主負担額を把握したいときは、事業主負担の合計料率を使います。労働者負担と事業主負担を混同しないことが、最初の確認ポイントです。

前年度からの変更点

令和8年度は、令和7年度と比べて雇用保険料率の合計が各事業区分で引き下げられました。差分は次のとおりです。

事業の種類令和7年度 合計令和8年度 合計差
一般の事業14.5/1,00013.5/1,000▲1.0/1,000
農林水産・清酒製造の事業16.5/1,00015.5/1,000▲1.0/1,000
建設の事業17.5/1,00016.5/1,000▲1.0/1,000

今回の引き下げは、失業等給付等の保険料率が下がったことによるものです。一般の事業では労使ともに5.5/1,000から5/1,000へ、農林水産・清酒製造の事業と建設の事業では労使ともに6.5/1,000から6/1,000へ下がりました。

一方で、雇用保険二事業の保険料率は据え置きです。一般の事業と農林水産・清酒製造の事業は3.5/1,000、建設の事業は4.5/1,000のままです。したがって、令和8年度の変更点を確認する際は、「合計が下がった」だけでなく、「下がったのは失業等給付等の部分で、雇用保険二事業は変わっていない」と整理しておくと、事業主負担の内訳を説明しやすくなります。

料率が適用される期間と切り替えのタイミング

令和8年度の雇用保険料率は、2026年4月1日から2027年3月31日まで適用されます。雇用保険料率は年度単位で見直されるため、4月に入ったら給与計算システムや給与計算表の料率を確認してください。

実務では、支払日だけで判断せず、給与の対象期間と賃金締切日を確認します。一般には、2026年4月1日以降に賃金締切日が到来する給与から、令和8年度の料率を適用します。たとえば3月分給与を4月に支払う場合でも、賃金締切日が3月中であれば前年度の料率で計算します。

月をまたぐ給与では、計算期間が3月から4月にまたがることがあります。この場合も、どの年度の料率を使うかは、賃金締切日を基準に確認します。4月1日以降に締日が到来する給与であれば、令和8年度の料率で計算する扱いになります。締日や支払日が会社ごとに異なるため、年度替わりの最初の給与計算では、対象期間、締日、支払日を並べて確認しておくと安全です。

なぜ事業によって料率が違うのか

雇用保険料率が事業の種類によって異なるのは、産業ごとに雇用の安定性や離職リスク、雇用保険二事業の財源負担が異なるためです。雇用保険は、失業時の給付だけでなく、雇用の安定や労働者の能力開発を支える制度でもあります。そのため、雇用情勢の影響を受けやすい事業では、一般の事業より高い料率が設定されています。

たとえば建設の事業は、工事の受注状況や現場ごとの雇用変動の影響を受けやすい分野です。建設の事業では、労働者負担は農林水産・清酒製造の事業と同じ6/1,000ですが、事業主負担は10.5/1,000と高くなっています。これは、雇用保険二事業の事業主負担分が4.5/1,000で、一般の事業より高いことが理由です。建設業で人件費や法定福利費を見積もる場面では、建設業の見積書における法定福利費もあわせて確認しておくとよいでしょう。

事業区分を誤ると、従業員から控除する金額だけでなく、事業主が負担する労働保険料の見込みにも影響します。特に複数の事業を行っている会社や、建設業に関連する業務を含む会社では、どの区分で申告・計算しているかを事前に確認してください。

雇用保険料の計算方法

雇用保険料の計算方法は、健康保険料や厚生年金保険料よりもシンプルです。基本は、給与や賞与の賃金総額に、該当する雇用保険料率を掛けるだけです。ただし、事業区分ごとの料率、労働者負担と事業主負担の違い、標準報酬月額を使わない点は必ず押さえておく必要があります。

健康保険や厚生年金を含む社会保険料全体の考え方を確認したい場合は、社会保険料とは?計算方法・決め方も参考にしてください。

基本の計算式は「賃金総額」×「雇用保険料率」

雇用保険料を計算する基本式は、次のとおりです。

雇用保険料 \= 賃金総額 × 雇用保険料率

この式は、毎月の給与だけでなく、賞与が支払われる場合にも使います。賃金総額とは、所得税や社会保険料などを控除する前の総支給額を指します。雇用保険料は「控除後の手取り額」ではなく、控除前の賃金総額をもとに計算する点に注意してください。

また、給与計算では労働者負担分と事業主負担分を分けて考えます。給与から天引きするのは労働者負担分です。一方、事業主負担分は会社が負担する保険料であり、従業員の給与から控除するものではありません。表の「合計」は制度全体の負担率を把握するための数字で、給与明細上の控除率としてそのまま使うものではない点を区別しましょう。

計算の3ステップ

雇用保険料は、次の3ステップで確認すると計算ミスを防ぎやすくなります。

1. 事業区分を確認する

まず、自社が「一般の事業」「農林水産・清酒製造の事業」「建設の事業」のどれに該当するかを確認します。事業区分によって労働者負担率と事業主負担率が異なるため、ここを誤ると以降の計算がすべてずれます。

2. 賃金総額を出す

次に、計算対象となる給与または賞与の賃金総額を確認します。雇用保険料は、実際に支払われる賃金をもとに計算するため、健康保険料や厚生年金保険料のように等級表へ当てはめる流れではありません。月ごとに残業代や手当が変わる場合は、その月の賃金総額に応じて雇用保険料も変わります。

3. 料率を掛けて端数処理を確認する

最後に、賃金総額に該当する雇用保険料率を掛けます。給与から控除する額を出す場合は労働者負担率、会社負担を含めて把握する場合は事業主負担率も確認します。計算結果に1円未満が生じる場合の扱いは、後半の具体例で確認します。

この順番にすると、給与明細で必要な労働者負担分と、年度更新や社内管理で必要な事業主負担分を分けて確認できます。表の合計だけを見るのではなく、どの場面でどの負担区分を使うかを先に決めるのが実務上のポイントです。

標準報酬月額は使わない(健康保険・厚生年金との違い)

雇用保険料の計算では、健康保険料や厚生年金保険料で使う「標準報酬月額」は使いません。標準報酬月額は、給与額を一定の等級に当てはめて保険料を決める仕組みです。健康保険料や厚生年金保険料は、この等級に保険料率を掛けて計算します。

一方、雇用保険料は、その月または賞与支給時に実際に支払われる賃金総額をもとに計算します。残業代や各種手当の増減があれば、雇用保険料もそれに応じて変わります。給与計算で「社会保険料」とまとめて扱っている場合でも、雇用保険料だけは計算の基礎が異なるため、標準報酬月額を使わないことを明確に分けておきましょう。

月給別の雇用保険料 早見表

以下は、令和8年度の雇用保険料率に対応した月給別の早見表です。月給欄は、雇用保険料の計算に使う賃金総額として見てください。自社の事業区分に応じて、労働者負担分と事業主負担分を確認できます。

月給(賃金総額)一般の事業 労働者/事業主農林水産・清酒製造 労働者/事業主建設の事業 労働者/事業主
150,000円750円 / 1,275円900円 / 1,425円900円 / 1,575円
200,000円1,000円 / 1,700円1,200円 / 1,900円1,200円 / 2,100円
250,000円1,250円 / 2,125円1,500円 / 2,375円1,500円 / 2,625円
300,000円1,500円 / 2,550円1,800円 / 2,850円1,800円 / 3,150円
350,000円1,750円 / 2,975円2,100円 / 3,325円2,100円 / 3,675円
400,000円2,000円 / 3,400円2,400円 / 3,800円2,400円 / 4,200円
450,000円2,250円 / 3,825円2,700円 / 4,275円2,700円 / 4,725円
500,000円2,500円 / 4,250円3,000円 / 4,750円3,000円 / 5,250円
600,000円3,000円 / 5,100円3,600円 / 5,700円3,600円 / 6,300円

早見表では、左側が給与から控除する労働者負担分、右側が会社の事業主負担分です。月給が表にない場合は、前述の計算式に自社の事業区分の料率を当てはめて確認します。給与と賞与はそれぞれ支給時の賃金総額をもとに扱うため、賞与がある月でも、まず給与分と賞与分を分けて確認してください。

具体例で見る月給・賞与の雇用保険料計算

ここでは、令和8年度の雇用保険料率を使って、給与と賞与の計算例を確認します。料率は2026年4月1日から2027年3月31日まで適用されるもので、出典は厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。

毎月の給与から計算する(労働者負担分)

一般の事業で、月給の賃金総額が300,000円の場合、労働者負担分は次のように計算します。

300,000円×5/1,000=1,500円

この場合、給与から控除する雇用保険料は1,500円です。給与明細で控除するのは労働者負担分であり、事業主負担分や合計料率をそのまま天引きしないよう注意してください。

建設の事業で、月給の賃金総額が300,000円の場合は、労働者負担分の料率が6/1,000です。

300,000円×6/1,000=1,800円

同じ月給でも、事業区分が違うと控除額が変わります。給与計算の前に、自社がどの事業区分で雇用保険料を計算するかを確認しておきましょう。

事業主負担分の計算

事業主負担分も、基本式は同じです。ただし、従業員の給与から控除するものではなく、会社が負担する労働保険料として管理します。

一般の事業で、月給の賃金総額が300,000円の場合、事業主負担分は次のとおりです。

300,000円×8.5/1,000=2,550円

建設の事業で、月給の賃金総額が300,000円の場合は、事業主負担分の料率が10.5/1,000です。

300,000円×10.5/1,000=3,150円

事業主負担分には、失業等給付などに関する保険料に加えて、事業主のみが負担する雇用保険二事業の保険料が含まれます。給与明細の控除額とは別に、年度更新や会計処理で必要になる金額として整理します。

賞与(ボーナス)の場合

賞与も、毎月の給与と同じく雇用保険料の計算対象です。健康保険や厚生年金のように標準賞与額の考え方で処理するのではなく、支給する賞与の賃金総額に雇用保険料率を掛けます。

一般の事業で、賞与の賃金総額が500,000円の場合、労働者負担分は次のとおりです。

500,000円×5/1,000=2,500円

事業主負担分は次のように計算します。

500,000円×8.5/1,000=4,250円

給与と賞与が同じ月に支払われる場合でも、それぞれの賃金総額を確認して計算します。賞与から控除する雇用保険料も、給与と同じく労働者負担分のみです。

1円未満の端数処理

雇用保険料を計算すると、1円未満の端数が出ることがあります。被保険者負担分を賃金から天引きする場合は、50銭以下を切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円とします。

一方、被保険者が現金で事業主に支払う場合は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を切り上げて1円とします。天引きと現金支払では、50銭ちょうどの扱いが異なる点に注意してください。

たとえば、一般の事業で賃金総額が283,500円の場合、労働者負担分は次のようになります。

283,500円×5/1,000=1,417.5円

この金額を給与から天引きする場合、50銭は「50銭以下」にあたるため、控除額は1,417円です。端数処理は給与計算の実務で差が出やすいため、端数調整の方法とは?給与計算・社会保険料の端数も確認しておくとよいでしょう。

なお、労使間で慣習的な取扱いがある場合は、それによることができます。実際の運用では、給与規程や社内ルールもあわせて確認してください。

計算の基礎となる「賃金総額」に含めるもの・含めないもの

雇用保険料は、給与や賞与の「賃金総額」に料率を掛けて計算します。ここでいう賃金総額は、手取り額ではなく、所得税や社会保険料などを控除する前の総支給額です。

対象に含めるものと含めないものを誤ると、従業員の控除額だけでなく、事業主負担分や年度更新の申告額にも影響します。法定福利費の会計処理まで確認したい場合は、社会保険料の勘定科目と法定福利費も参考になります。

賃金総額に含まれる主な手当

賃金総額に含まれるのは、名称を問わず、労働の対価として事業主が従業員に支払うものです。基本給、時給、日給のほか、残業手当、休日手当、深夜手当などは対象になります。

また、通勤手当、住宅手当、家族手当、扶養手当、役職手当、資格手当、技能手当なども、原則として賃金総額に含めます。通勤手当は所得税では非課税として扱われる部分がありますが、雇用保険料の計算では賃金に含めて考える点が間違いやすいところです。

毎月固定で支給される手当だけでなく、勤務実績に応じて変動する手当も対象になります。その月に実際に支払われる賃金をもとに確認しましょう。

賃金総額に含まれないもの

賃金総額に含まれないのは、労働の対価とはいえない支払いです。たとえば、退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金などは、通常の給与や手当とは性質が異なるため、雇用保険料の計算対象には含めません。

出張旅費や宿泊費など、業務に必要な費用を実費で精算するものも、賃金総額には含めない扱いです。会社が立て替え精算や経費精算として処理しているものを、給与手当と混同しないようにしましょう。

役員報酬も、労働者としての賃金ではない部分は対象外です。ただし、役員と従業員の性質が混在するケースでは判断が複雑になることがあるため、実態に応じて確認が必要です。

賞与の取り扱いと注意点

賞与は、労働の対価として支払われるものであれば、雇用保険料の計算対象です。毎月の給与と同じ料率を使い、賞与の賃金総額に対して労働者負担分と事業主負担分を計算します。

雇用保険料の計算では、賞与についても標準報酬月額は使いません。支給額をもとに計算するため、給与計算ソフトや賞与計算表で社会保険料と同じ処理にしていないか確認してください。

一方で、恩恵的な性格が強い金一封や見舞金のような支払いは、労働の対価といえるかどうかで扱いが変わります。名称だけで判断せず、支給理由と実態を確認することが大切です。

雇用保険の加入対象となる従業員の条件

雇用保険は、正社員だけが対象になる制度ではありません。パート、アルバイト、契約社員などの名称にかかわらず、一定の条件を満たす従業員は雇用保険の被保険者になります。

基本的な確認ポイントは、1週間の所定労働時間が20時間以上であること、31日以上の雇用見込みがあることです。雇用契約書で短期雇用と明確に定めていない場合や、契約更新の可能性がある場合は、加入対象になることがあります。

給与計算では、加入対象者であるにもかかわらず雇用保険料を控除していないケースが問題になります。採用時だけでなく、勤務時間の増加、契約更新、シフト変更があったときにも、加入条件を満たしていないか見直しましょう。

反対に、加入対象でない従業員から雇用保険料を控除してしまうと、過剰控除になります。雇用形態の名称ではなく、所定労働時間と雇用見込みを確認することが、実務上の基本です。判断に迷う場合は、所轄のハローワークや労働局に確認してください。

年に一度の「年度更新」とは

雇用保険料は、毎月の給与計算で労働者負担分を控除して終わりではありません。事業主負担分や労災保険料とあわせて、年に一度の年度更新で申告・納付します。

年度更新は、労働保険料を前年度の実績で精算し、新年度分を見込みで申告する手続きです。会計処理まで整理したい場合は、労働保険料の勘定科目と仕訳・年度更新も確認しておきましょう。

確定保険料と概算保険料の仕組み

年度更新では、まず前年度に実際に支払った賃金総額を集計し、確定保険料を計算します。これは、実績に基づいてその年度の労働保険料を確定させる作業です。

次に、新年度に支払う見込みの賃金総額をもとに、概算保険料を計算します。労働保険料は、見込みで前払いし、翌年に実績で精算する仕組みになっているためです。

前年度の概算保険料より確定保険料が多ければ、不足分を納付します。反対に納めすぎていた場合は、新年度の概算保険料に充当したり、還付を受けたりする流れになります。

申告と納付の手続きの流れ

年度更新は、年に一度、決められた期間内に申告と納付を行います。具体的な期間は年度ごとに案内されるため、厚生労働省や都道府県労働局からの案内を確認してください。

実務では、まず申告書類を確認し、前年度に支払った賃金総額を賃金台帳や給与データから集計します。次に、雇用保険と労災保険の対象賃金を整理し、確定保険料と概算保険料を計算します。

計算後は、申告書に必要事項を記入し、期限内に提出します。期限を過ぎると追加対応が必要になる場合があるため、給与データの集計は早めに始めるのが安全です。

納付方法の選択肢

労働保険料の納付方法には、金融機関などの窓口で納付する方法、口座振替を利用する方法、電子申請とあわせて電子納付する方法があります。事業所の体制や経理処理に合わせて選択します。

口座振替は、納付忘れを防ぎやすい方法です。電子申請や電子納付は、窓口に出向く手間を減らせるため、給与計算や労務手続きをオンラインで管理している会社と相性がよいでしょう。

一定の条件を満たす場合は、分割して納付できる制度もあります。利用できるかどうかは申告内容によって異なるため、年度更新の案内や所轄の労働局で確認してください。

間違いやすいポイントとQ&A

雇用保険料の計算では、年齢、雇用形態、端数処理、年度替わりの料率などでミスが起きやすくなります。ここでは、実務で確認されやすいポイントを整理します。

65歳以上の従業員の保険料はどうなるか

現在は、65歳以上の従業員についても、雇用保険の加入対象であれば雇用保険料がかかります。過去には高年齢の被保険者について保険料の免除措置がありましたが、その措置は終了しています。

そのため、「65歳以上だから雇用保険料を控除しない」と処理するのは誤りです。年齢だけで判断せず、所定労働時間や雇用見込みなどの加入条件を確認しましょう。個別の判断に迷う場合は、所轄のハローワークや労働局に確認してください。

パート・アルバイトの計算で気をつけること

パートやアルバイトでも、雇用保険に加入している場合は、正社員と同じ計算式で雇用保険料を計算します。賃金総額に、該当する事業区分の労働者負担率を掛けるだけです。

注意したいのは、勤務時間や契約内容の変更です。採用時には加入対象外でも、シフトが増えたり契約更新が続いたりして加入条件を満たすことがあります。条件を満たした時点で、加入手続きと給与計算の設定を見直しましょう。

計算を間違えた場合の対処法

雇用保険料を少なく控除していた場合は、原因と不足額を確認し、従業員に説明したうえで調整します。次回給与で不足分を控除する場合も、給与明細に調整内容がわかるように記載しておくと、後日の確認がしやすくなります。

反対に、控除しすぎていた場合は、過剰分を返金します。次回給与で調整する方法のほか、状況によっては個別に返金する方法も考えられます。

いずれの場合も、料率の設定ミス、賃金総額の範囲の誤り、加入対象者の判定誤りなど、原因を残しておくことが重要です。同じミスを繰り返さないよう、給与計算システムの料率、従業員区分、手当項目の設定を確認してください。

よくある質問

1. 令和8年度の雇用保険料率はいくらですか

令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業が労働者5/1,000・事業主8.5/1,000・合計13.5/1,000、農林水産・清酒製造の事業が労働者6/1,000・事業主9.5/1,000・合計15.5/1,000、建設の事業が労働者6/1,000・事業主10.5/1,000・合計16.5/1,000です。出典は厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率です。

2. 雇用保険料は標準報酬月額で計算しますか

雇用保険料の計算では、標準報酬月額は使いません。毎月の給与や賞与として実際に支払われる賃金総額に、雇用保険料率を掛けて計算します。

3. 賞与にも雇用保険料はかかりますか

賞与にも雇用保険料はかかります。労働の対価として支払われる賞与は賃金総額に含め、給与と同じ料率で計算します。

4. 4月をまたぐ給与はどちらの年度の料率を使いますか

年度替わりの給与では、支払日だけでなく賃金締切日を確認します。一般には、2026年4月1日以降に賃金締切日が到来する給与から、令和8年度の料率を使います。

5. 65歳以上の従業員も雇用保険料がかかりますか

雇用保険の加入対象であれば、65歳以上の従業員にも雇用保険料がかかります。過去の免除措置は終了しているため、年齢だけを理由に控除しない処理は避けてください。

6. 計算を間違えて天引きしすぎた場合はどうすればよいですか

天引きしすぎた場合は、過剰に控除した金額を確認し、従業員に説明したうえで返金します。次回給与で調整する場合は、給与明細に調整内容がわかる項目を設けるとよいでしょう。

まとめ

雇用保険料は、給与や賞与の賃金総額に、事業区分ごとの雇用保険料率を掛けて計算します。令和8年度の料率は前年度から変わっているため、給与計算システムや社内資料の更新漏れに注意が必要です。賃金総額の範囲、端数処理、年度更新、加入対象者の判定をあわせて確認することで、控除ミスや申告ミスを防ぎやすくなります。

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この記事の投稿者:

hasegawa

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